相州貞宗(刀工)

貞宗(さだむね)  

鎌倉時代末~南北朝の刀工
相州貞宗
正宗の子、または養子という

  • 現存在銘刀はないが相州伝の代表的刀匠とされている。
  • 素剣、護摩箸、梵字、倶利伽羅などの彫り物があることは正宗の伯父大進房や正宗の師新藤五国光の系統につながり、その作風は弟子の信国に受け継がれた。
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生涯  

  • 生年不詳、元応元年(1319年)または貞和5年(1349年)没とされる。
  • 通称彦四郎
  • 初め江州犬上郡甘呂寺の僧友長について鍛冶を修行。
  • のち相州五郎正宗の門人となり、養子となったという説が有力。正宗よりも早く没した。

評価  

  • 父、師とされる正宗と並び古くより高い評価を受ける。
新札往来
南北朝末期。「名鍛冶」のひとりとして五郎入道と貞宗の名が出ている。

近代、来国俊、国行、新藤五(新藤五国光)、藤三郎(行光)、五郎入道(正宗)、其子彦四郎(貞宗)、一代之名人候

桂川地蔵記
応永23年(1416年)、鎌倉の刀工のうち上作のひとりとして貞宗を挙げる。

新藤五、彦四郎(貞宗)、五郎入道、九郎次郎(広光

 

  • 在銘刀が極端に少なく、多数ある享保名物のうち在銘は長銘貞宗だけである。

代表作  

国宝  

亀甲貞宗
刀 無銘貞宗。東京国立博物館所蔵
伏見貞宗
短刀 朱銘貞宗 本阿(花押)。黒川古文化研究所所蔵
寺沢貞宗
短刀 無銘貞宗。文化庁所蔵

重要文化財  

切刃貞宗
刀 無銘貞宗。東京国立博物館所蔵
二筋樋貞宗
刀 無銘貞宗。個人蔵
幅広貞宗
刀 無銘伝貞宗。個人蔵 享保名物御掘出貞宗」のこと。
無銘伝貞宗。昭和27年(1952年)重要文化財指定。個人蔵
無銘伝貞宗。昭和29年(1954年)重要文化財指定。個人蔵
徳善院貞宗
短刀 無銘貞宗。三井記念美術館所蔵
池田貞宗
短刀 無銘貞宗。個人蔵
斎村貞宗
短刀 無銘伝貞宗。個人蔵
石田貞宗
短刀 無銘貞宗。東京国立博物館所蔵
朱判貞宗
短刀 朱銘貞宗 本阿(花押)。小松コレクション(ふくやま美術館保管)
物吉貞宗
短刀 無銘貞宗。愛知・徳川美術館所蔵
太鼓鐘貞宗
短刀 無銘貞宗。伊達家伝来。昭和13年(1938年)旧国宝指定。個人蔵
脇指
無銘伝貞宗。久能山東照宮所蔵
宗祇貞宗
  • 寛永19年(1642年)11月

    十四日水戸中納言頼房卿を饗せられ。宗祇貞宗の御差添。大鷹三据つかはされ。

その他  

加賀貞宗
慶長15年9月16日、登城して襲封の挨拶に訪れた島津家久が秀忠より下賜されている。

十六日島津陸奧守家久登營して。就封のいとまたまひ饗せられ。加賀貞宗の御刀ならびに御馬を下され。そのうへ櫻田にて宅地をたまふ。

金象嵌銘「貞宗磨上/本阿(光室花押)」長二尺二寸七分、反り六分。棒樋に添樋の彫り。目釘孔2個

系譜  

  • 正和年間(1312年-1316年)正和銘尽に登場しており、「正宗五郎入道 貞宗 彦四郎左衛門尉ニにんす」とされ、親子関係は記されていない。
  • 「能阿弥本銘尽」には「江州高木ニ住間号高木彦四郎、五郎入道子」と記される。
  • 「宇都宮銘鑑」文亀元年(1501年)
    正宗─┬─広光九郎次郎──秋広[貞治頃]
       └─貞宗彦四郎
  • 「竹屋理庵本」天正7年(1579年)
    正宗─┬─貞宗 正宗長男彦四郎
       └─広光 同弟子九郎次郎

高木貞宗  

  • 相州貞宗と同人説が多いが、本阿弥家では別人説を採る。
  • 相州貞宗が江州高木にいたときに生まれた子とする。また貞宗が早く死んだため、高木貞宗も正宗の門人となったという説もある。
    • 銘「江州佐々木貞宗」「江州高木貞宗」「高木」など
    • 享保名物帳に「大波高木」という大磨上無銘の刀が載る。

甘呂俊長  

  • 高木貞宗の高弟という。
  • 江州甘呂住天九郎俊長
  • 「江州甘呂俊長」
  • 一説に、天下三槍の「日本号」の作者というが、明らかではない。
銘「江州甘呂俊長/延文五年庚子」長26.3cm。昭和53年(1978年)6月15日重要文化財指定。刀剣博物館所蔵
短刀
銘「江州甘呂/俊長」昭和33年(1958年)2月8日重要文化財指定。個人蔵

弟子  

貞宗三哲  


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