新藤五国光(刀工)
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新藤五国光(しんとうごくにみつ)
銘
- 刀銘「新藤五長谷部國光」から新藤氏長谷部姓、あるいは、長谷部住とも解釈されている。
- 刀銘ならびに、梵字(金剛界大日如来や不動明王など)により真言密教系の法師鍛冶とされる。
- 銘字は「左字北冠」(国構えの中が左右逆、光の字の上三画が草書体の北に近い)
記年銘
- 「鎌倉住人/永仁元年」 (1293年)重要文化財
- 「長谷部国光/徳治二年」 (1308年)
- 「鎌倉住新藤五国光法名光心 正和二年七月十日」短刀 (1312年)
系譜
- 系譜はよくわかっておらず、諸説がある。
【相模鍛冶系図】 貞國──國弘──一文字助真──新藤五國光─┬國重(長谷部国重) ├國廣(新藤五国広) ├行光(藤三郎行光) └五郎正宗
【鎌倉鍛冶】 備前三郎國宗──新藤五國光─┬進藤太郎(国康?) ├進藤文四郎(新藤五国広?) ├大進房ひがきなり(樋書きの大進房祐慶) ├行光藤三郎入道 └國光弟子
粟田口国綱──新藤五國光 ※備前三郎国宗の弟子
大進坊祐慶
門人に藤三郎行光
- 五郎正宗の父とも。
長谷部
- 「徳治二年長谷部国光」銘のものがあり、長谷部とのつながりを指摘される。
新藤五国光─┬長谷部国泰 ├長谷部国広 └長谷部国重
作刀
- 短刀を得意とし、太刀の作はまれである。
- 享保名物
- 会津新藤五
- 八寸四分半、銘「国光」
- 陸奥新藤五
- 名物追加。「松平陸奥守殿にあり不名物に能き道具なり」。万治2年6月に後西天皇より伊達綱宗拝領。二尺五寸一分。表裏天蓋梵字、蓮花、鍬形、剣、蓮花。裏草、三鈷。元禄10年10月3日付けの折り紙。本阿弥花押、代金十枚。特別重要刀剣、個人蔵
- 小尻通新藤五
- 一尺分半
国宝
- 短刀
- 銘「国光」名物 会津新藤五。刃長25.5cm。東京・法人蔵、広島・ふくやま美術館寄託
- 短刀
- 銘「国光」大阪個人蔵。指表に素剣、指裏に不動明王を表す梵字の彫物がある。
- 短刀
- 銘「国光」個人蔵。長八寸二分。平造り、三ツ棟、浅い内反り。なかごほとんど生ぶ。差表下半の中ほどに二字銘。徳川慶喜旧蔵品で、国光の作中でも一段と地刃の働きに富んだものである。新村出旧蔵。吉野敏造旧蔵。昭和28年(1953年)7月4日新国宝指定。
重要文化財
- 短刀
- 銘「国光/徳治三年(以下切)」9寸7分。大正10年4月30日旧国宝指定。熱田神宮
- 短刀
- 銘「鎌倉住人新藤五国光作/永仁元年十月三日」永仁元年(1293年)の年記とともに、「新藤五」と名乗っていたこと、鎌倉に住していたことがわかる点で史料的にも貴重なものである。(神奈川・法人蔵)
- 短刀
- 銘「国光」 元応二年三月廿日(兵庫・個人蔵)
- 短刀
- 銘「国光」(土浦市蔵)
- 短刀
- 銘「国光」(埼玉・個人蔵、1959年重文指定)
- 短刀
- 銘「国光」(東京国立博物館)伊達家伝来
- 太刀
- 銘「国光」(東京・静嘉堂文庫美術館)
- 短刀
- 銘「国光」刃長25.0cm。国光晩年の作。国光の短刀には珍しい冠落し造。直刃。(静岡・佐野美術館)
- 短刀
- 銘「国光」(大阪・妙国寺)
- 短刀
- 銘「国光」拵本地蒔絵脇指。孝明天皇御物。大正2年(1913年)4月14日旧国宝指定。(和歌山・金剛峯寺)
その他
- 「乱れ新藤五」
- 短刀 銘「国光」。内反りやや寸延び。直刃を得意とした国光に珍しく乱れ刃。振り袖茎に二字銘が入る。重要美術品。
永藤一 氏旧蔵。昭和36年(1961年)の「正宗とその一門」でも永藤一氏所持。 - 短刀
- 銘「銘国光/元徳三年(以下切)」長さ28.0cm、元幅2.5cm。平造、三つ棟。鍛えは板目に流れ肌交じり、地沸つき地景表わる。彫物は表裏に刀樋を彫る。茎は少し磨上げ、表銘の国光の「光」、裏銘の元徳三年の「年」の字は下半以下が切れる。目釘穴3個。指裏の区上に細鑽の奉納切付痕があり、記録によると「鬼頭彦一郎」とある。
- 短刀
- 銘「鎌倉住新藤五国光法名光心/正和四年□月十日」昭和16年9月24日重要美術品指定、黒川福三郎所持。
- 太刀
- 銘「国光/延慶三年」長二尺六寸。鎬造、表裏に棒樋を掻き通す。表樋中に剣の浮彫り、剣平に梵字三文字、裏平に梵字。目釘孔1個。明治45年時点、および昭和5年(1930年)4月の第2回日本名宝展覧会でも小笠原長幹伯爵所持。
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- Museum (366) - 国立国会図書館デジタルコレクション 新藤五国光に関する一考察 / 小笠原信夫/p12~25
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