旧国宝
旧国宝
概要
現行法である昭和25年(1950年)施行の「文化財保護法」(昭和25年5月30日法律第214号)により規定されるのが新国宝であり、それ以前に国宝指定されていたものを俗に「旧国宝」と呼ぶ。
- [旧国宝]:明治30年(1897年)制定の「古社寺保存法」および昭和4年(1929年)制定の「国宝保存法」により指定されたもの。
- [新国宝]:昭和25年(1950年)5月30日制定の現行法「文化財保護法」により指定を受けたもの
刀剣と旧国宝
刀剣については、特に寺社で所有していたものと、大名家が所有していたものを中心に、昭和25年(1950年)以前にまず旧国宝として指定された。
その後、昭和25年(1950年)に「文化財保護法」が施行されると、すべての旧国宝は一度重要文化財として指定され、その後、一部の優れた文化財については新国宝に再指定されたという経緯がある。
第百十五條 この法律施行前に行つた国宝保存法第一條の規定による国宝の指定(同法第十一條第一項の規定により解除された場合を除く。)は、第二十七條第一項の規定による重要文化財の指定とみなし、
旧古社寺保存法による指定品は同様に国宝保存法附則により國寶に再指定されていた。
この場合、正確には重要文化財の指定日は「文化財保護法」の施行日ではなく、旧国宝指定日となる。
例えば、「数珠丸」は大正11年(1922年)4月13日に古社寺保存法により旧国宝に指定され、その後文化財保護法施行により重要文化財指定を受けている文化財である。
いっぽう「童子切安綱」は、旧国宝に指定されていたが、新法施行により重要文化財指定、さらに新法第27条2項により新国宝に指定されている。
- 旧国宝指定日:大正11年(1922年)4月13日
- 文化財保護法施行による再指定:昭和25年(1950年)8月29日
- 重要文化財指定日:大正11年(1922年)4月13日
- 旧国宝指定日:昭和8年(1933年)1月23日
- 文化財保護法施行による再指定:昭和25年(1950年)8月29日
- 重要文化財指定日:昭和8年(1933年)1月23日
- 新国宝指定日:昭和26年(1951年)6月9日
またそれ以降に指定されたものについても、法的には国指定の「重要文化財」に指定された上で、「国宝」として指定を受けるという段取りになっている(国宝及び重要文化財の項を参照)。この「文化財保護法」施行後に指定を受けたものについては、書籍などで「新指定の重要文化財」などと記述されている場合がある。
個人所有品の第一弾指定
- 昭和5年(1930年)12月13日の国宝保存会において、はじめて個人所有品が旧国宝された。主なものは以下の通り。
当サイトでの記述
当サイトでは、旧国宝に指定された後に再指定を受けずに重要文化財となったものについては、「~年に旧国宝(重要文化財)指定」などと記している。
またそれぞれの指定根拠法については一般的に区別されないため、当サイトでも基本的には区別せず旧国宝指定を受けたと記述している。
関連項目
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