古備前派
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古備前派(こびぜんは)
備前の刀工集団のうち、平安期に活躍した友成、正恒、包平、助平、高平などを指して古備前物と呼ぶ。五者は、古刀最上作に数えられ、後ろ三者については古備前の三平とも呼ばれる。
概要
平安時代中期
- 中右記の寛治八年(1094)十一月の記事に、天徳四年(960)、備前国の仮(鍛)治・白根安生(しらねやすなり)が安倍晴明の木型に基づき二霊剣を鍛造したことがみえる。
天徳奉勅、以備前国撰献仮治〔鍛冶〕白根安生令焼
古備前派
代表的な刀工
友成
- 銘 友成作
- 厳島神社所蔵平教経奉納、名物「鶯丸」(御物)
- 銘 備前国友成造
- 現在東京国立博物館蔵。
- 銘 備前国友成
- 水戸藩徳川斉昭の愛刀、御物。
- 銘 友成作
- 重要文化財。小田原征伐の折、津軽為信が知行安堵のために駆け参じた功を労い、豊臣秀吉より賜わる。青森県弘前市の高照神社旧蔵。高岡の森弘前藩歴史館所蔵
正恒
- 正和2年(1313年)の”注進物”に選ばれている。
包平
助平
- 古備前三平の一人
- 是助の子、または信房の六男
高平
- 高包の子、包永の子、信房の弟など
- 蛇切り丸
- じゃきりまる。畠山重忠所持。三尺八寸、または四尺八寸。富士川において加地次家の甲の鉢を切り割ったという。
- 秩父がかう平
- 長三尺九寸、身巾四寸。「備前作のかう平」とも。古備前高平とされる。源平盛衰記において、宇治川の戦いで長瀬判官代義員(木曽義仲の従弟)に対して抜き払う場面が描かれる。
- 懐太刀
- 藤原保昌の懐太刀の作者ともいう
- 七つ燭台
- ななつしょくだい。畠山重忠所持。古備前高平作の太刀。
- 長竜
- 畠山重忠所持、小笠原左京大夫。
- 手火丸
- てびまる。古備前高平の作。刃長四尺八寸。手火とは松明のこと。
信房
- 著名作は「信房」の項参照
延房
- 太刀
- 銘「延房作」拵絲巻太刀 附太刀目録一通 徳川綱吉寄進。大正14年(1925年)4月24日旧国宝指定。日枝神社所蔵
- 新宝剣
- 壇ノ浦で沈んだ草薙宝剣の代わりの宝剣。
- 鉢丸
- 今出川太政入道所持。
- 壷切り
- 宇都宮家重代
他
- 助平、高平
近包
- 平安末~鎌倉時代
真恒
成高
国包
- 志加丸国包
- 八幡太郎義家が安倍貞任討伐の時に佩用。江戸期には奈良の春日神社の本談義屋に志加丸としょうする太刀があったという。
末古備前物(すえこびぜんもの)
吉包
遠近
- 正恒一派恒遠の子。
- 太刀
- 銘「遠近」長78.5cm。鎬造、庵棟、身幅広く反り高い。鋩子かます形、掃かけ、両面に棒樋をかき流す。生ぶ中心。目釘孔1個。刀身の表平より樋にかけて、「奉施入太郎大明神御報前太刀一振所施入也右志者為先師父母乃至法界無差平等利益也貞治二ニ年□□日右方会頭権少僧都信重敬白」と切付銘が入っている。明治45年(1912年)2月8日旧国宝指定。昭和25年8月29日重要文化財指定。二荒山神社所蔵
- 太刀
- 銘「遠近」二尺五寸六分、反り一寸八厘。尾張徳川義直が元和5年に亀尾天王社の隣に東照宮を勧請し、名古屋東照宮を創建した際に寄進したもの。大正11年(1922年)4月13日旧国宝指定。名古屋東照宮旧蔵
- 太刀
- 銘「遠近」大正11年(1922年)4月13日旧国宝指定。重要文化財。
- 太刀
- 銘「遠近」長67.3cm。なかご磨上。上野高崎藩主松平輝貞の佩刀。特別重要刀剣
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