備前三郎国宗(刀工)


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 備前三郎国宗(びぜんさぶろうくにむね)

備前の刀工
古刀最上作

 概要

  • 国宗は備前長船出身の刀工。直宗派の一人とされる。
  • 後年鎌倉に移住して相州鍛冶の基礎を築いたという。

 著名作

 国宝

太刀
銘「国宗」初代国宗作。長二尺六寸九分八厘(81.7cm)、反り一寸五厘(3.2cm)。鎬造、庵棟、身幅広く、鋒猪首となり、腰反り高く踏ん張りがある。なかごは生ぶ、勝手下がりの鑢目つき、表下半に銘がある。明治43年4月20日旧国宝指定、昭和27年3月29日新国宝指定。東照宮所蔵
太刀
銘「国宗」長72.7cm、反り2.5cm。鎬造、庵棟、中鋒、腰反り。なかごわずかに磨上げ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔3個、中程寄りに「國宗」二字銘が入る。昭和13年7月4日旧国宝指定。昭和28年11月14日国宝指定。株式会社小松安弘興産所蔵。ふくやま美術館寄託
太刀
銘「国宗」長80.1cm、反り2.5cm。鎬造、庵棟、磨り上げながら腰反高く、中鋒。鋩子僅かに乱込み、掃きかけ小丸。なかごは磨上、先浅き栗尻、旧鑢目勝手下がり。目釘孔3個、中程棟寄りに「國宗」の二字銘。高須松平家初代の義行が、尾張徳川家二代の尾張光友から拝領したもので、その後尾張徳川家8代徳川宗勝が分家の高須松平家から本家を相続した際に持参したもの。昭和28年11月14日重要文化財指定。昭和29年3月20日国宝指定。徳川美術館所蔵
太刀
銘「国宗」長72.6cm、反り2.4cm。鎬造、庵棟。鍛は板目、下半に大肌交じり、乱れ映り立つ。なかご磨上。「国宗」と二字銘がある。昭和28年11月14日国宝指定。株式会社小松安弘興産所蔵、ふくやま美術館寄託
太刀
銘「国宗」長81.4cm、反り2.7cm。生ぶ中心。表、目釘孔の上棟寄りに二字銘。薩摩島津家伝来。島津氏30代当主島津忠重(忠義四男)が昭和2年6月に先祖忠久の700年祭にあたって照國神社に奉納したもの。戦後アメリカに渡り行方不明となっていたが、昭和38年(1963年)、アメリカの骨董屋で売られていたところ(あるいは知人が所持していたともいう)をアメリカ人愛刀家ウォルター・コンプトン(Walter Ames Compton)氏が見つけて入手するところとなり、文部省へ問い合わせを行った。本間順治氏が神社に残っていた鞘に入れたところぴったりハマり、コンプトン氏が日本に戻すべきだとして寄贈したことで日本に戻ったという逸話を持つ。その後は東京国立博物館で保管されていたが、平成5年(1993年)に鹿児島県歴史資料センター黎明館(鹿児島市城山町)に戻り、現在も同館で保管されている。照國神社所蔵(鹿児島市照国町)
太刀
銘「国宗」鎬造、庵棟、身幅広く、反りやや高く、中鋒の延びた豪壮な姿。茎は少し磨上げ、先栗尻、鑢目勝手下り、目釘孔3個。表棟寄りに「國宗」と二字銘。有栖川宮家伝来、のち高松宮家より国(文化庁)に寄贈された。昭和63年6月6日重要文化財指定。東京国立博物館所蔵

 その他

夢切り国宗
上杉家御手選三十五腰。のち佐竹家
典厩割国宗
上杉家御手選三十五腰。のち佐竹家
戒杖刀
上杉家御手選三十五腰
袖狭(そでせば)
畠山家の重代の太刀。刃長三尺八寸の大太刀

 系譜

 二代:国宗

  • 正応・延慶ごろ。
  • 初代備前三郎と並び、評価が高い。
太刀
銘「国宗」長70cm、反り2.5cm。なかご生ぶ。「国宗」二字銘。備前直政派の2代国宗の作。天正18年(1590年)の小田原北条氏攻めの一番槍の功を賞して井伊直政から家臣に与えたもので、のち井伊家に献上され伝来した。重要文化財。彦根城博物館所蔵

 三代:国宗

  • 永享・宝徳ごろ

 四代:国宗

  • 明応・天文ごろ


 別人

  • 「国宗」銘を斬る刀工は諸国に多数いる。

 来国宗

 伯耆国宗

  • 備前国国宗門人とする。
太刀
銘「国宗」長79cm、反り2.9cm。彦根藩井伊家12代の井伊直亮の差料。付属する鎺に直亮による「備前三郎国宗」の刻銘がある。しかし太刀姿が腰反りで小切先をもつなど伯耆国宗と極められている。昭和34年6月27日重要文化財指定。彦根城博物館所蔵

 青江国宗

  • 備中国宗。建武ごろ

 肥後延寿国宗

  • 肥後延寿派
  • 延文ごろ、寛正ごろ

 越中国宗

  • 宇多国房の弟
  • 康安ごろ

 備前国宗

  • 応安~応永ごろ。同名二代

 豊後国宗

  • 明徳ごろ
  • 寛文ごろ:豊前守藤原国宗

 関連項目


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