上杉景勝自筆腰物目録


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 上杉景勝自筆腰物目録(うえすぎかげかつじひつこしものもくろく)

上杉家文書

  • 景勝自ら「上ひざう(秘蔵)」として書き上げたもの。
Table of Contents

 概要

  • 景勝が記した「腰物目録(上秘蔵)」については、実態がよくわかっていない「上杉家御手選三十五腰」とは異なり、上杉家文書に自筆の文書が残っており明瞭である。
  • 「腰物目録」は、上杉家文書一〇四五と一〇四六の二つに書かれている。
  • 以下28腰が記載されるが、一部重複があるのではないかと思われる。
    太刀または刀に限られ、短刀(五虎退など)については記載されていない。なお「竹俣兼光」は後に秀吉が召し上げているため、この書付は「御館の乱」で跡を継いだ天正6年(1578年)以降、天正14年(1586年)以前のものとわかる。

 上杉景勝自筆腰物目録(折紙

上杉景勝自筆腰物目録折紙
(押紙)
 ┌─────────┐
 │『愛字不見    │
 │ 書付ハ二通ナリ』│
 └─────────┘
 
   御腰物書付   三
        愛ノ字一枚添
 
 
 上ひさう
一、くさま一もんし
一、ひめつる一もんし
一、たけ又かね光
一、三か月
一、からかしわ
一、たかきなか光
一、うんしやう
一、日光なかミつ
一、山てうまう
 とういん十代
一、もりいへ
  以上
 
一、小はせべ
一、のりかの
一、もりいへ
一、たかセなか光
一、くセなかみつ
一、きく一もんし
一、あきひろ
一、びセん三郎
一、あらミなかミつ
一、一もんし
一、とをちか
(上杉家文書 一〇四五)

 一覧表

番号記載名備考
1くさま一もんし草間一文字
2ひめつる一もんし姫鶴一文字
3たけ又かね光竹俣兼光 ※天正14年秀吉へ
4三か月三日月兼光
5からかしわ唐柏
6たかきなか光高木長光
7うんしやう雲生
8日光なかミつ日光長光
9山てうまう(とういん十代)山鳥毛一文字
10もりいへ守家
以上 上秘蔵の刀十腰
1小はせべ小長谷部
2のりかの則包
3もりいへ守家 ※「徳用守家」?
4たかセなか光高瀬長光
5くセなかみつ久世長光
6きく一もんし菊一文字
7あきひろ秋広
8びセん三郎備前三郎国宗
9あらミなかミつ新身長光(荒身長光
10一もんし一文字
11とをちか遠近

 上杉景勝自筆腰物目録(折紙

上杉景勝自筆腰物目録折紙
「日記」
 
 かたな
一、とをちか
一、あしかゝ十代
一、はゝきらい
一、ミつたゝ
  以上
 
 さしきとこのまに
一、あらミなかミツ
一、一もんし
  にしきのふくろニ入、くろかねすかしつは、しやくとうりうかい小刀、
一、同ひセん三郎の刀
  くろかねきくつは、きのりうのかうかい、むらさもよきのさけを、
                   以上
此外
(上杉家文書 一〇四六)

 一覧表

  • かたな(刀)
    記載名備考
    とをちか遠近
    あしかゝ十代足利重代
    はゝきらいハバキ来(鎺)
    ミつたゝ光忠
  • さしきとこのまに(座敷床の間に)
    記載名備考
    あらミなかミツ新身長光(荒身長光
    一もんし一文字
    にしきのふくろニ入、くろかねすかしつは、しやくとうりうかい小刀
    (錦の袋に入れ、黒鉄の透かし鍔、赤銅竜笄小刀)
    同ひセん三郎の刀備前三郎国宗
    くろかねきくつは、きのりうのかうかい、むらさもよきのさけを
    (黒鉄菊鍔、木の竜の笄、萌黄の下げ緒)

新身長光」及び「備前三郎(国宗)」については一〇四五に記載のものと重複していると思われる。「遠近」及び「一文字」については特定が困難だが重複の可能性がある。





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