青江


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 青江(あおえ)

備中の刀工集団
古青江(こあおえ)、中青江(ちゅうあおえ)、末青江(すえあおえ)の三期に分類される。
開祖は守次
鎌倉期では直次、吉次、助次、恒次。南北朝期では次直、次吉

 古青江

  • 鎌倉中期以前の備中青江鍛冶を指す。
    • 年代としては、保安年間~暦仁年間(1120~1239)。または永仁(~1293)
    • ただし明治までは則高の系統を古備中と呼ぶだけで、この時期の青江を古青江とは呼んでおらず、大正から使われ始めた。
  • 安次・則高・正恒など
  • 安次ののち、守次の後を継いだ貞次・恒次・次家の三兄弟が高名。

 守次

  • 安次の子。古青江の祖とする説もある。
  • 守次左衛門尉。
  • 活動時期も仁平、承安、治承、元暦、など諸説ある。
  • 南北朝期の作には貞和、延文の年記を見る。建武ごろの守次は薩摩に下り波平行安の祖となったともいう。
  • 銘は大振りで、奔放な二字。長銘になるのは時代が下がる。
般若太刀
上杉謙信が陣中で戦勝祈願をする際に用いた刀。
太刀
銘「守次」長87.6cm、反り3.6cm。昭和30年2月2日重要文化財指定。なかご生ぶ、佩表に守次二字銘。革包太刀拵が附く。魚々子地に輪 宝紋を銀象嵌した山金製の金具を打ち、佩緒には小振りの太鼓金を備える。
太刀
銘「守次」54.5cm、反り1.6cm。福井藩主松平春嶽公が奉納した小太刀。県指定の有形文化財
短刀
銘「守次」延文二年銘。昭和46年6月18日岡山県指定重要文化財。個人蔵
  • 守次の子は、三兄弟揃って御番鍛冶を勤めた。同名数代あり。

 貞次

  • 貞次
  • 守次の長男。通称は右衛門亮。
  • 御番鍛治二月番
大青江
金象嵌銘 貞次磨上之/本阿(花押)。名物大青江。富山前田家伝来。重要文化財。個人蔵
短刀
銘「貞次」貞和二年銘。長27.5cm。昭和46年6月18日岡山県指定重要文化財。個人蔵
地蔵丸
前田家の重臣今枝民部重直の父今枝忠光の所持。
真田家の大太刀
銘「備中国住人□□/延文六年二月日」真田源太左衛門尉信綱(真田幸隆の嫡男)の所持。「真田家譜」には「青江貞次の鍛えたる三尺三寸余りの陣刀」と記される。真田宝物館所蔵

 恒次

  • 恒次
  • 守次の次男。
  • 御番鍛治五月番。青江恒次。受領備前守
数珠丸恒次
重要文化財。日蓮上人所持。
鄙田青江
銘 恒次。享保名物。個人蔵

 次家

  • 次家
  • 守次の三男。
  • 御番鍛治八月番

 康次

  • 貞次の子または安次の子。永延ごろ。
木曽義仲佩刀
木曽義仲の太刀の作者で、越中栃波山合戦で佩いたという(安次作とも)。
源義賢佩刀
源義賢の佩刀で、木曽義仲に贈るが嫡嗣の義基に与えた。頼朝は義基娘を娶せて安心させ、梶原景時に暗殺させ刀も召し上げた。頼家が伝持したが伊豆の修善寺で誅殺されると北条義時の手に帰した。北条高時が自害した後、足利直義が入手し、尊氏へ献上、以後足利家重宝となったという。

 包次

  • 鎌倉時代初期
新髭切
銘 包次。吉川元長により厳島神社に奉納された太刀

 康次

  • 貞次あるいは恒次の子。伯耆権守を名乗ったとも。
国宝太刀
天正12年(1584年)9月4日、足利義昭が島津義久に贈った二尺八寸三分の太刀国宝文化遺産DB(宗教法人崇教真光所蔵)
国宝太刀
(刃長73.6、東京国立博物館所蔵)

 正恒

「銘正恒太刀
国宝。長78.2cm、反り3cm。なかご生ぶで雉子股形。目釘孔の下に銘。鎌倉時代の作。八代将軍吉宗奉納。徳川八代将軍吉宗が、元文元年(1736年)の鶴岡八幡宮修理造営に際し奉納した物。造営の記録には同年9月15日に正遷宮が行われ17日に将軍代拝として戸田越前守忠余が参向して奉幣、真の太刀1腰を奉献したと記されている。昭和3年4月4日重要文化財指定、昭和27年3月29日国宝指定。神奈川・鶴岡八幡宮所蔵。
古青江正恒
重要文化財
綱切筑紫正恒
長二尺四寸六分。享保名物帳所載
士武者
さむらいむしゃ。藤井市之丞広貞の佩刀
  • 古青江吉次:助右衛門。信次の子、久次の子、久次の父、貞次の子など。「吉次」二字銘。
  • 宗貞:備中妹尾鍛冶
太刀
銘「宗貞」長81.8cm、反り2.6cm。昭和55年4月8日岡山県指定重要文化財。個人蔵

 中青江

  • 暦仁年間~応永年間

 吉次

  • 右衛門尉吉次:真次の弟。可然物選定。「備中国青江住」「備州万寿荘住」。右衛門尉、のち左衛門尉。延慶から嘉暦まで。以後末青江まで数代続く
太刀
銘「備中国住人吉次」延文頃の作。唐津市呼子町加部島の田島神社の宝物として伝わる。白鞘に「宮中顧問官正二位勲一等侯爵鍋島直大奉納大正四年五月十日 田島神社藏」の墨書がある。昭和25年8月29日重要文化財指定。県立博物館所蔵。
太刀
銘「備中国住吉次」76.2cm、2.4cm。鎬造、庵棟。明治10年に徳川家達公爵が藤島神社に奉納されたもの。明治42年9月21日重要文化財指定。福井市藤島神社所蔵
太刀
金象嵌銘「備中国万寿住吉次元和五年八月日磨上之 二ツ胴土段五寸斬之中川佐平太 主鍋嶋紀伊守」刃長二尺五寸一分、反り八分五厘。鍋島家伝来。

 次直

  • 右衛門尉吉次の子。

 末次

太刀
銘末次。長二尺五寸二分五厘、反り九分。表裏に両ちり掻き流しの棒樋、。徳川家伝来。鞘書き「弘化四未年十月廿六日備中国末次御刀 代金五十枚承休院殿又御遺物 三百二十五番」。承休院殿は一橋徳川家7代当主徳川慶壽のこと。田安徳川家当主徳川斉匡の五男で一橋家を継いだ。

 末青江

  • 応永年間以降
  • 室町期の備中青江物。古青江、中青江の特徴は消え、末備前物や末三原物に類似する。
  • 室町初期の長次、国次、景次。中期の家次、助安。末期の次家、宗次など。

 次吉

短刀
銘「備中国住次吉作」貞治二年銘。長30.6cm。昭和34年1月13日岡山県指定重要文化財。個人蔵

 関連項目


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