膝丸(鎧)


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 膝丸(ひざまる)

  • 源氏に伝わった名刀「膝切」については別項参照




源義家からの八領の鎧のひとつで源氏重代相伝の鎧。

 由来

  • 膝丸は、牛千頭分の膝の皮(牛の革で一番堅いと言われる部分)を取って綴じ合わせて出来た鎧という。
  • その為か、常に牛の精が現れ着る者を嫌ったといい、埃を掃う時さえ精進潔斎しなければならなかったという。

    此の膝丸と申すは、牛千頭(せんがしら)が膝の皮を取り威したりければ、牛の精や入りけん、常に現じて主を嫌ひけるなり。されば塵などを佛はんとても、精進潔斎して取り出しけるとなり。かゝる稀代の重寳を、敵となる子の許へ遣しける、親の心ぞあはれなる。

 来歴

  • 源為義から下野守源義朝に渡った。

    爲義今度は最期の合戰と思ひければ、重代の鎧を一領づゝ、五人の子どもに着せ、我が身は薄金をぞ着たりける。源太が産衣と膝丸とは、嫡々に傳ふる事なれば、雑色花澤して、下野守のの許へぞ遣しける。爲朝冠者は器量人に勝れて、常の鎧は身に合はざりければ、着ざりけり。


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