源氏


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 源氏(げんじ)

  • 源(みなもと)姓の氏族の称で賜姓皇族のひとつ。
  • 特に清和源氏・嵯峨源氏・村上源氏・宇多源氏・花山源氏などが有名。
  • 「源氏二十一流」と称され諸流がある。
    1. 【嵯峨源氏】:[第52代] 摂津渡辺氏、肥前松浦氏、筑後蒲池氏など
    2. 【仁明源氏】:[第54代]
    3. 【文徳源氏】:[第55代]
    4. 【清和源氏】:[第56代] 清和源氏
    5. 【陽成源氏】:[第57代]
    6. 【光孝源氏】:[第58代]
    7. 【宇多源氏】:[第59代] 庭田家(羽林家)・綾小路家(羽林家)・五辻家(半家)・大原家(羽林家)・慈光寺家(半家)が公家華族
    8. 【醍醐源氏】:[第60代] 地下家、地方武家
    9. 【村上源氏】:[第62代] 公家華族
    10. 【冷泉源氏】:[第63代]
    11. 【花山源氏】:[第65代] 白川伯王家
    12. 【後三条源氏】:[第71代]
    13. 【後白河源氏】:[第77代]
    14. 【順徳源氏】:[第84代]
    15. 【後嵯峨源氏】[第88代]:
    16. 【後深草源氏】:[第89代]
    17. 【亀山源氏】:[第90代]
    18. 【後二条源氏】:[第94代]
    19. 【後醍醐源氏】:[第96代]
    20. 【正親町源氏】:[第106代] 公家華族。広幡家

 清和源氏主要系図

  • いわゆる武家源氏で高名なのは清和天皇後裔を称する清和源氏である。
  • 貞純親王
    • 清和天皇の更衣のひとり、棟貞王女が産んだ貞純親王(873年? - 916年)は清和天皇の第六皇子で桃園親王と号した。貞観15年(873年)貞固・貞元・貞保ら清和天皇の皇子7名・皇女4名とともに親王宣下を受ける。
    • 宇多朝にて親王任国である上総や上野の太守を務めたほか、中務卿・兵部卿を歴任したが、位階は四品に留まった。醍醐朝の延喜16年(916年)5月7日薨去。
  • 源経基
    • この貞純親王と妻である源柄子(源能有の娘)との間に生まれたのが源経基である。一般に「六孫王」と呼ばれているが、当時の文献には見られないという。
    • 太政大臣・藤原忠平の治世下の承平8年(938年)武蔵介として現地に赴任する。赴任早々に検注を実施すると、在地の豪族である足立郡司で判代官の武蔵武芝が正任国司の赴任以前には検注が行われない慣例になっていたことから検注を拒否したために、経基らは兵を繰り出して武芝の郡家を襲い、略奪を行った。
    • するとこの話を聞きつけた下総国の平将門が私兵を引き連れて武芝の許を訪れると、経基らは妻子を伴い、武装して比企郡の狭服山へ立て籠もった。武蔵武芝の兵が経基の営所を包囲すると、経基は将門らに殺害されるものと思い込み、あわてて京へ逃げ帰ったという。
    • その後天慶2年(939年)に将門が新皇を僭称して勝手に坂東諸国の除目を行ったため、征東大将軍・藤原忠文の副将の一人に任ぜられ、将門の反乱の平定に向かうが既に将門が追討された事を知り帰京する。
  • 天慶4年(941年)には追捕凶賊使となり、小野好古とともに藤原純友の乱の平定に向かうが、ここでも既に好古によって乱は鎮圧されており、純友の家来 桑原生行を捕らえるにとどまった。武蔵・信濃・筑前・但馬・伊予の国司を歴任し、最終的には鎮守府将軍にまで上り詰めた。
  • 「尊卑分脈」には応和元年(961年)に45歳で卒去したとあるが、長男・満仲より後に生まれた事になるため矛盾しており、生年については不詳である。
【清和源氏】
清和天皇──貞純親王──経基王──満仲─┬頼光────┬頼国───頼綱──仲政──頼政
            (源経基)   │(摂津源氏)└頼家、頼基、頼平、頼範、相模
                    │
                    ├頼平(柏原氏、檜坂氏、匂当氏)
                    │
                    ├源賢法眼
                    │
                    ├頼親────頼成、頼房、頼遠、頼基
                    │(大和源氏)
                    │
                    └頼信────頼義─義家─義親=為義─義朝─頼朝─頼家
                     (河内源氏)頼清、頼季、頼任、義政
  • 頼光の生母は嵯峨源氏近江守源俊の娘
  • 頼親、頼信兄弟の生母は左衛門権佐藤原致忠の娘
             【嵯峨源氏】
桓武天皇─┬─嵯峨天皇─┬─源定──源唱──源俊──源俊娘
     │      └─仁明天皇──文徳天皇┐  │
     │                  │  ├─源頼光…(摂津源氏の祖)
     │  ┌───────────────┘  ├─源頼平…(柏原氏・檜坂氏・匂当氏など)
     │  │    【清和源氏】        │
     │  └清和天皇──貞純親王──経基王──源満仲
     │             (六孫王源経基)│
     │                     ├─源頼親…(大和源氏の祖)
     │                     ├─源頼信──源頼義(河内源氏)
     │ 【南家巨勢麻呂流】           │       │
     │  藤原菅根──藤原元方──藤原致忠─┬致忠娘      ├─源義家
     │                   ├藤原保昌     │ (八幡太郎)
     └葛原親王──高見王┐         └藤原保輔     │
      ┌────────┘                   │
      │                            │
      │藤原村雄─┬藤原秀郷                  │
      │     └村雄娘                   │
      │       │                    │
      │       ├─平貞盛─┬平維将──平維時──平直方─娘
      │       │     └平維衡…(伊勢平氏)
      └─高望王─┬平国香──平繁盛──平維茂
  【桓武平氏高望流】 │
            ├平良兼──平公雅──平致頼
            └平良持──平将門

 清和源氏 頼光流

【摂津源氏・多田氏】
頼光──頼国─┬頼綱──仲政──頼政(源三位)
       └国房

 清和源氏 頼信流

【河内源氏】
頼信──頼義─┬義家─┬義親=為義─┬義朝─┬頼朝──頼家
       │   │      │   └義経
       │   │      │
       │   │      ├義賢─義仲
       │   │      └為朝(鎮西八郎)
       │   │
       │   ├義国┬義重─義兼─義房─政義─政氏─基氏─朝氏─義貞
       │   │  │(新田)
       │   │  └義康──┬義清──義実──義季(細川)
       │   │   (足利)├義長
       │   ├義忠     └義兼──┬義純(畠山)
       │   └為義          └義氏──┬長氏(吉良・今川)
       │                     └泰氏┬家氏(斯波)
       └義光┬義業(常陸源氏佐竹)            ├公深(一色)
          ├義清(甲斐源氏武田)──清光┬光長(逸見)  └頼氏(足利)
          └盛義(平賀)        └信義(武田)

 嵯峨源氏主要系図

【嵯峨源氏】
嵯峨天皇─┬源信
     │(初代源氏長者、嵯峨源氏)
     │
     ├源常
     │(嵯峨源氏)
     │
     │四条大納言 ┌源至─────源挙──源順(36歌仙)
     ├源定────┴右大弁源唱─┬源俊─┬源把
     │(嵯峨源氏)       ├源洪 ├源沃
     │             └源泉 └源満仲室(頼光母)
     │
     │河原左大臣  河原大納言       箕田源次
     ├源融────┬源昇────┬源仕───源宛───渡辺綱──授──久(松浦家)
     │(嵯峨源氏)└源湛    └源是茂──源師世──源貞清
     │
     ├源弘(嵯峨源氏)
     ├源生
     ├源安
     ├源勤
     ├源勝
     ├源賢
     └源潔姫→藤原良房室

 源氏に由来する名刀

  • 多くは「平家物語」剣の巻で描かれるものであり、伝説上の刀剣として多数の書物に記述される。
    現存刀との関連はほぼ無いと考えたほうがよい。

 源満仲由来のもの

髭切
渡辺綱の逸話により「鬼切安綱」と呼ばれたという。
膝切
「蜘蛛切」(源頼光)、「吠丸」(為義)、娘婿の熊野別当教真、「薄緑」(義経)、箱根神社奉納、曾我兄弟、頼朝 ※(膝丸とも)

 源頼光由来のもの

童子切安綱
国宝指定。

 義経

今剣
義経が佩用したという短刀

 関連項目


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