今荒波

今荒波一文字(いまあらなみいちもんじ)  

太刀
銘 一(号 今荒波)
二尺(刃長69.1cm、反り2.4cm)
重要文化財
東京国立博物館所蔵

  • 今荒波一文字、今荒波則房
  • 片山一文字派、一文字則房の作(助房の子)
  • 茎(なかご)に「一」とのみ切ったものであるが、片山一文字の則房によるものと伝えられている。
  • 目釘孔2個。
  • 享保名物帳

    今荒波則房 在銘長二尺 所在不知
    荒波一文字に似たる道具故異名附申候

    • 「二尺三寸アリ」と朱書された名物帳もある。
  • 目釘孔2個

由来  

  • 「今荒波」の号は、荒波のように躍動的な刃文によるものと考えられる。
  • 本阿弥光心押形」では、生ぶ中子で銘則房、二尺四寸程度と見られる。

来歴  

  • 「今川殿ニ」と書かれており、元は駿河の今川家所蔵であったとされる。
  • 遅くとも江戸中期には井伊家所蔵であったと思われる。
  • 井伊家において、拵が二度製作されている。
  1. 【一度目】:享保~安永ごろ。鉄地に荒波の地紋、色絵で舞鶴を表に5羽、裏に3羽あしらっている。彦根の彫金師藻柄子宗典作。
  2. 【二度目】:11代井伊直中の代。鍔は鉄地に波の丸、目貫は赤銅地で表に「波」「荒」の文字、裏に「一文字」の文字。小柄には「大織冠鎌足之苗」、笄に「湖東金亀城主」の文字が入っていた。
  • その後、井伊家の第15代当主井伊直忠伯爵より明治天皇に献上されたとみられる。
    荒波一文字」および「今荒波」については伝来に混乱があり、詳細は不明。井伊家献上の一文字が、名物「今荒波」とされた可能性がある。




喜連川家重代の今荒波  

  • 喜連川家重代の一文字の太刀
    喜連川家は小弓公方系足利氏
  • 土屋押形には「一」とだけ銘があり、これは享保名物帳の今荒波とは異なる。
  • 明治末には根本喜連川家にあったという。

荒波一文字 

  • かつて「荒波一文字」という似た号の一文字が存在した。
  • 享保名物帳の「荒波一文字に似たる道具故」というのは、それとの重複を避けるため「"今"荒波」と名付くいう意味である。
  • この「荒波一文字」 は、元禄3年(1690年)ごろまでは記載があるが、その後享保ごろには行方がわからなくなっている。