大和守安定(刀工)


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大和守安定(やまとのかみやすさだ)  

江戸時代の刀工
新刀上々作にして良業物

生涯  

  • 紀伊国石堂の出身
  • 父は平安城安廣(富田三郎兵衛)
  • 生年は元和4年(1618年)とされる。通称、富田宗兵衛
  • 江戸に出て和泉守兼重に師事した。
    • 二代康継に師事し、虎徹に影響を与えたともいう。
  • 明暦元年(1655年)には伊達家の招きで奥州仙台に下り、奉納刀を打っている。
  • はじめ大和大掾、のち大和守を受領
  • 古今鍛冶備考」では良業物54工。
  • 寛文新刀を代表する

 

  • 「大和大掾安定」「大和守安定」「富田大和守安定」「於武蔵國豊嶋郡大和守安定」「大和守源安定」

著名刀  

  • 切れ味が素晴らしく、截断銘のつくものが多い。
    • 「ヲトリ仏 一生風前雲/二ツ胴切落 山中勘三郎智重(花押)」(踊りぼとけ)
    • 「棚橋 大和守安定 二ツ胴三ツ胴四ツ胴切落 万治三庚午年九月廿二日 山野加右衛門尉永久(花押)」
    • 「仏一生」:金象嵌「二つ胴切落」、「仏一生風前雲」と切りつけ。
    • 「唐竹割三ツ胴切落 万治三庚子年十一月廿三日 山野加右衛門尉永久(花押)」
    • 「三つ胴截断山野加右衛門六十八歳永久花押」二尺二寸九分
    • 「万治三庚子九月廿二日三つ胴切落山野加右衛門永久花押 不留方空所持オキ富救可子孫伝」二尺三寸一分刀
    • 「万治四年辛巳二月十一日天下開闢以来五つ胴落、永久六十四歳始切之」刀
    • 「寛文二年霜月十三日三つ胴截断山野加右衛門永久花押」脇差
    • 「万治二、二月二十三日クイクイ落斬味上々、斬手村井藤右衛門花押」大和大掾時代作
    • 佐太神社所蔵(大阪府守口市)、永井尚庸寛文12年(1672)奉納。大阪府指定文化財 大太刀「大和守安定」

愛用者  

  • 幕末の剣士に愛用者が多い。
沖田総司
新撰組一番隊組長及び撃剣師範の沖田総司。総司は「加州清光」なども愛用した。
大石鍬次郎
新選組隊士大石鍬次郎(人斬り鍬次郎)も二尺五寸の安定で多くの志士を切っている。池田屋事件後の入隊。
伊庭八郎
遊撃隊伊庭八郎。「練武館」伊庭秀業の長男。「伊庭の小天狗」。上野戦争のとき箱根山崎の戦いで左手首の皮一枚を残して斬られ、隻腕の剣客とも呼ばれる。五稜郭入りののち自殺。

系譜  

二代  

  • 初代27歳のときに生まれた飛田宗太夫安次
  • 「二代目大和守安定銘之」
  • のち安定を襲名

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