北谷菜切


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 北谷菜切(ちゃたんなきり / ちゃたんナーチリー)

青貝微塵塗腰刀拵
刀身無銘(号 北谷菜切)
刃長23cm
国宝
那覇市歴史博物館所蔵

なお国宝指定は本刀単独ではない。従来本刀を含む「琉球王尚家伝来品」85点が重要文化財に指定されていたが、それに加えて「附 王装束及衣裳関係文書」12冊、さらに未指定の「琉球国王尚家関係文書」1,154点が追加され、計1,251点が「琉球国王尚家関係資料」として、2006年に国宝に指定されたものである。

 概要

  • 尚家伝来の刀剣。無銘であるが、15世紀の作と推定されている。
  • 拵えの全長は46.5センチ。鞘は青貝螺鈿で、柄には鮫皮のように加工した金板を貼り、金具は金無垢である。小柄と笄には篆書で「天」と刻まれており、これは琉球王府所蔵品の証である。

 由来

  • 普天間川の下流域に「北谷田圃(ちやたんたーぶつくゎ)」と呼ばれた水田地帯があり、俗伝でこの北谷田圃と交換されたものだという。北谷田圃は沖縄の三大美田とされた。

 伝説

  • 北谷町北谷(ちゃたん)にあった水田地帯北谷田圃との交換話や、妖刀伝説の残る刀剣。
  • 伝承によれば、北谷の農婦が包丁を振ったところ、触れてもいないのに赤子の首を切って殺してしまった。
  • 取調べを受けたが農婦は無実を訴え、役人が試みに山羊に向かって包丁を振ったところ、同じく首が切れたため農婦は放免された。
  • この包丁を刀に鍛え直したものが北谷菜切であるという。
  • 今村長賀と關保之助が鑑定をしている。

    北谷菜󠄁切一口、
    刀身長 七寸六分、中心長 ニ寸七分、刀身量數 十六匁、柄頭 金唐草唐花彫、目貫 無し、目釘 黑角、鎺金着、但鎺ハ鞘ノ中ヘ食込ミ無之、縁 頭ニ同シ、柄金出鮫、鍔 無し、鞘 兩■青貝摺、小尻 頭ニ同シ、栗形 同上、裏瓦 同上、反角 同上、小柄 金含、雲ニ獏ノ高彫、裏ニ篆字及分銅形毛彫、笄 金著、挑枝ノ高彫、裏ニ篆字、下緒 お納戸色石打。
    (備考)刀身摩滅、作柄不明、焼刄ハ鍔元少シ存在、年代四五百年程、地金ヨシ、

    関保之助(せき やすのすけ)は、明治から昭和にかけての有職故実家。東京帝室博物館学芸委員、重要美術品等調査委員。有職故実、甲冑武器の考証家として著名だった。東京美術学校助教授、帝国美術歴史編纂掛を経て、明治34年帝国大学史料編纂委員、大正8年京都帝室博物館学芸委員、11年同館列品課長、13年奈良帝室博物館列品課長、昭和8年東京帝室博物館学芸員を歴任した。「千代金丸」の調査も行っている。

  • 古来北谷王子家に伝わったが、のち尚侯爵家に伝わった。
    「おもろさうし」に記載があることから、この歌謡集が編集された17世紀初頭までに尚王家に伝わったのではないかとされている。



  • 千代金丸」、「治金丸」、「北谷菜切」の三刀は古来沖縄に伝わる名刀として名高い。

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