乾雲坤龍
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乾雲坤龍(けんうんこんりゅう)
関の孫六作
「乾雲 」と「坤龍 」の二刀を指す
- 「姓は丹下、名は左膳」で有名な隻眼隻腕の剣客、丹下左膳が所持している架空の二振りの名刀。林不忘の時代小説「青空文庫:丹下左膳-乾雲坤竜の巻」に登場する。
関の孫六の作に、大小二口の稀代の業物がある。ともに陣太刀作りで、鞘は平糸巻き、赤銅の柄に刀には村雲、脇差には上り竜の彫り物があるというところから、大を乾雲丸(けんうんまる)、小を坤竜丸(こんりゅうまる)と呼んでいるのだが、この一対の名刀は小野塚家伝来の宝物で、諸国の大名が黄金を山と積んでも、鉄斎老人いっかな手放そうとはしない。
- 「乾雲」と「坤龍」は二刀揃って始めて名刀足りえるという。しかも、それぞれの刀の持ち主は戦う宿命にあり、過去の例では斬られる側は決まって乾雲の持ち主という。
二つの刀が同じ場所に納まっているあいだは無事だが、一朝乾雲と坤竜が所を異にすると、凶の札をめくったも同然で、たちまちそこに何人かの血を見、波瀾万丈、恐ろしい渦を巻き起こさずにはおかないというのだ。
- 丹下左膳は、片目と引き換えに「乾雲」を入手する。
- 乾雲は二尺三寸。
左手に取った乾雲丸二尺三寸に、今しも血振るいをくれているところ。
- 「乾雲」と「坤龍」が二刀揃っていないとき、乾雲は血を求めるために左膳は辻斬りを繰り返してしまう。
一対におさまっていれば何事もないが、番を離れたが最後、絶えず人血を欲してやまないのが奇刃乾雲である。その剣心に魅し去られて、左膳が刀を差すというよりも刀が左膳をさし、左膳が人を斬り殺すというよりも刀が人を斬り殺す辻斬りに、左膳はこうして毎夜の闇黒をさまよい歩いているのだったが、ちらと乾雲の刃を見ると、人を斬らずにはいられなくなる左膳、このごろでは彼は、夜生温い血しぶきを浴びることによってのみ、昼間はかろうじていささかの睡眠に神気を休め得るありさまだった。
関の孫六
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