水戸天目
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水戸天目(みとてんもく)
由来
- 水戸徳川家伝来にちなむ。
来歴
徳川将軍家→水戸家
- 柳営御物、のち水戸徳川家伝来。
水府公御物
曜變御天目 高二寸二分、指渡し四寸一分、高臺指渡し一寸一分、高臺高さ一分半
右御天目臺共に、東照宮様、水府黄門源頼房卿へ被進候、歴世御直封之御家寶
(諸家名器集)
- 水戸徳川家の13代当主である侯爵徳川圀順まで伝わる。
侯爵徳川篤敬の子に生まれる。妻は公爵徳川慶喜(15代将軍)の十一女で、父の従兄弟にあたる。
- 売立が行われる1ヶ月前に箒庵高橋義雄が実見をしている。
大正七年九月二日、東京市本所區新小梅町徳川圀順侯邸に於て實見す稲葉子爵家曜變と同型同大なり、唯稲葉家のは内部星紋燦爛として、恰も豹皮を見るが如くなるに引替へ、是れは雨後の空に處々星紋を點ずるが如く、雲煙斷續の中に、ボツゝ斑點を認め、瑠璃色若くは紺靑色など、目の覺むる許りの色彩、筆舌の名状すべき所に非ず、而して稲葉家のは覆輪なけれども、是れは金覆輪なり、又稲葉家のは外部總體無地なれども、是れは暗夜の星の如く、處々に星紋を點じ居るが最も珍し、裾廻り釉掛り稍厚く、裾以下鐵氣色の土を見せて、總體無疵清麗玉の如く、古來稀有の珍寶として尊重せられたるも、決して偶然に非ざるなり。
藤田平太郎
- 大正7年(1918年)10月27日に水戸家道具売立が行われ、藤田財閥の藤田平太郎が五萬三千八百圓にて落札し、現在は藤田美術館所蔵。
曜変天目茶碗 金五萬三千八百圓 山中 高山中
藤田平太郎は藤田財閥創始者の藤田伝三郎の長男。藤田財閥2代目総帥となる。藤田銀行を創設、富士生命保険の社長などを歴任した。美術品に造詣が深く、財界有数の収集家であった。号 江雪。
山中 高山中は札元名。この時同時に出品されていた「古井戸茶碗 銘老僧」は金十四萬二千圓で落札されている。こちらも藤田美術館所蔵
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