水破兵破


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 水破兵破(すいはびょうは)

鏑矢の名
水破(すいは)と兵破(びょうは)という二筋の矢。

 由来

  • 源三位頼政が、東三条の森から黒雲に乗って現れた妖怪変化(へんげ)を射落とすのに用いた二本の鏑矢のうちの一の矢。黒雲の真ん中を射ることで変化を驚かせ、鳴かせてその位置を確かめた。

    郎等に丁七唱、遠江国住人早太と云者二人を相具したり。唱は小桜を黄にかへしたる腹巻を著せ、十六指たる大中黒の矢の、おもてに水破兵破といふ鏑矢二つ差、雷上動といふ弓を持せたり。水破といふ矢は、黒鷲の羽を以てはぎ、兵破といふ矢をば、山鳥の羽にてはぎたりけり。早太には骨食といふ太刀を、ふところにささせたり。

  • 「水破兵破」は、文殊菩薩が自身の双眼の瞳から作ったもので、元は文殊の化身、楚国の弓の名手養由基(ようゆうき)のもの。弓雷上動とともに夢中で与えられたという。
  • 水破は黒鷲の羽で矧(は)いであり、兵破は山鳥の羽で矧いであったという。

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