毛利藤四郎
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毛利藤四郎(もうりとうしろう)
- 享保名物帳所載
毛利藤四郎 在銘長八寸七分半 無代 松平大炊頭殿
毛利輝元の所持表護摩箸裏樋并極有之
- 名物帳の版によっては、毛利家重代とも書かれる。さらに長さが八寸六分、八寸三分、あるいは七寸四分半と書かれているものもある。
由来
- もとは毛利輝元の愛刀であったことからこの名で呼ばれる。
来歴
毛利家
- 永禄6年(1563年)9月毛利隆元が頓死し、家督は11歳の輝元(元就孫)に移った。
- 毛利元就は三男である小早川隆景に輝元の補佐をするよう命じ、毛利重代の吉光の短刀(当時は脇指と表記)を贈っている。これが毛利藤四郎かどうかは不明。
家康
- 本刀「毛利藤四郎」は、毛利輝元から家康に献上される。
池田家
- 元禄5年(1692年)6月10日、本阿弥光常が輝政曾孫の池田綱政邸でこれを拝見している。
- 享保名物帳に記載される「松平大炊頭殿」とは、岡山藩3代藩主池田継政のこと。
細川忠興──細川忠利【肥後熊本藩】 ├──細川光尚 ┌千代姫 小笠原秀政 ├小笠原忠真【豊前小倉藩】 ├──┴万姫 ┌松平信康──登久姫 ├──┬蜂須賀忠英【阿波徳島藩】 │ 蜂須賀至鎮 └三保姫 徳川家康─┴──督姫 ├───池田光仲【因州鳥取藩】 ├──┬─池田忠継━━池田忠雄 ├───┬池田綱清 │ ├─池田忠雄 │ └池田仲澄──池田吉泰 │ └─振姫 徳川頼宣─┬茶々姫 池田恒興 │ │ 【紀州家】└徳川光貞─┬綱教 ├───┬─池田輝政 伊達忠宗 └徳川吉宗 善応院 │ │ │ ├────池田利隆──池田光政【備前岡山藩、池田宗家】 │ 福正院 本多忠刻 ├──池田綱政──池田継政 │ ├──勝姫 ├───池田宗政 │ 徳川秀忠─千姫 伊達吉村─心定院和子 ├───池田治政 │ │ └─池田長吉──池田長幸 黒田継高──宝源院藤子 【備中松山藩】
明治天皇
- 明治24年(1891年)11月16日、明治天皇が侯爵池田家に行幸された際に、侯爵池田章政より名物「浮田志津」とともに献上された。
十六日 公爵池田章政邸に行幸あらせらる、邸は府下大崎村在り、午前十時三十分御出門、十一時十五分同邸に著御あらせらる、(略)章政所蔵の短刀二口一を浮田志津、一を毛利吉光と稱す、・傅元信筆懸物ニ幅對を上る、
明治14年(1881年)の献上ともいうが誤り。
東博
- 昭和22年(1947年)、宮内省より国立博物館(現東博)に移管。
- 現在は東京国立博物館所蔵。
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