来国光(刀工)
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来国光(らいくにみつ)
鎌倉時代末期から南北朝時代の刀工。
来国俊の子とされる。
現存作は太刀、短刀ともに多く、短刀の方に沸の強く覇気のある作風が見られる。
年紀ある作刀は嘉元2年(1327年)から、元徳・貞和を経て観応2年(1351年)に及ぶ。このうち、貞和・観応の作は銘振りの相違などから2代目の作とする説もある。
概要
作品
著名刀
- 有楽来国光
- 織田有楽斎所持、加賀前田家伝来。国宝
- 池田来国光
- 池田三左衛門輝政所持、加賀前田家伝来。重要文化財
- 新身来国光
- 会津藩主保科正之、将軍家献上。重要文化財
- 塩河来国光
- 塩河氏所持、本多美濃守忠政から姫路藩伝来。重要文化財
- 後藤来国光
- 豊後来国光
- 朱銘「豊後拝領」(阿部豊後守忠秋)
- 古田山城来国光
- 古田織部(古田重然)の子で古田重嗣所持にちなむ。家康から御分物として尾張家。
- 亘理来国光
- 伊達家重臣亘理兵庫頭入道元安斎の所持。遺物として伊達家に献上する。政宗が登城の際に差料とした。6代宗村もこれを愛好した。刃長二尺四寸一分五厘。延宝9年(1681年)卯月3日の千五百貫の折紙つき。
- 三浦来国光
- みうららいくにみつ。本多上野介正純が家康に献上したもの。駿河御分物として尾張徳川家に入る。金五枚。三浦とは、下総城主だった三浦監物重成のこととされる。
- 千貫国光
- 本阿弥光悦押形所載。在銘。「継平押形」に併掲される光悦押形にでている押形では目釘孔4個、刀銘「来国光」三字銘。「本多どのニて」と注記。戦前は栗原彦三郎氏所持。ただし銘がおかしい。
- 千貫国光
- 犬養木堂旧蔵の光悦押形では、太刀銘で目釘孔1個。樋もありまったくの別物。同じ光悦押形でこの刀だけが入れ替わっている。
- 瀬上がり
- 奥州相馬家家老の堀内家の伝来。
国宝
- 太刀
- 銘「来国光/嘉暦二年二月日」徳川家伝来、明治32年(1899年)、徳川家達より明治天皇に献上された。東京国立博物館所蔵
e国宝 - 太刀 銘来国光 嘉暦二年二月日 - 太刀
- 銘「来国光」 奥平信昌の四男で奥平松平家の祖となった松平忠明が所持し、大坂の陣で佩用したという。松平忠明はのち摂津大坂藩10万石、大和郡山藩12万石を経て、播磨姫路藩18万石となった。明治後に岩崎家、山県有朋の所持となり明治天皇に献上された。のち東京国立博物館所蔵となり、九州国立博物館の開館記念として九州国立博物館所蔵となった。
e国宝 - 太刀 銘来国光 - 短刀
- 銘「来国光」名物 有楽来国光。織田有楽斎が豊臣秀吉より拝領したもので、前田家へと伝わった。個人蔵
重要文化財
- 太刀
- 銘来国光(宮城・鹽竈神社) 二尺八寸五分。延宝三年卯十一月十日伊達綱村奉納。明治42年9月21日旧国宝指定。
- 太刀
- 銘来国光(二荒山神社)大正14年(1925年)4月24日旧国宝指定。
太刀 銘来国光 附白鞘新井十太夫重之寄進ノ鞘書アリ 一口
- 太刀
- 銘来国光(静岡・秋葉山本宮秋葉神社)
- 太刀
- 銘来国光(愛知・徳川美術館)
- 太刀
- 銘来国光(佐賀・松原神社) - 第二次大戦後連合軍により接収され、以後所在不明。※恐らく下記の大正14年(1925年)4月24日旧国宝指定と同物と思われる。鍋島直映は国広の脇指と共に寄進している。
太刀 銘来国光 附鍋島直映寄進状一通。松原神社蔵
- 太刀
- 銘来国光(個人蔵)1935年指定
- 太刀
- 銘来国光(個人蔵)1952年指定
- 太刀
- 銘来国光(萬野美術館旧蔵)1938年指定
- 太刀
- 銘来国光(個人蔵)1935年指定、前田家伝来 ※同物だと思われる来国光が、昭和55年(1980年)の「国宝・重要文化財総合目録」では、東京都の加藤陽三氏蔵となっている。昭和10年(1935年)4月30日旧国宝指定
- 太刀
- 銘来国光・梨地金螺鈿蛭巻打刀拵(個人蔵)1958年指定
- 太刀
- 額銘来国光、切付銘埋忠磨上之(京都国立博物館)
- 刀
- 金象嵌銘来国光スリ上 本阿(花押)(東京国立博物館)
- 刀
- 無銘来国光(法人蔵、ふくやま美術館保管)1956年指定
- 刀
- 無銘来国光(個人蔵)1959年指定
- 刀
- 無銘来国光。長69.6cm、反り1.5cm。目釘孔2個。茎は大磨上、先切。徳川将軍家伝来。1960年重要文化財指定。愛知県個人蔵
- 短刀
- 銘来国光 元徳二年以下切(個人蔵)
- 短刀
- 銘来国光(塩川来国光)(法人蔵)
- 短刀
- 銘来国光(池田来国光)(個人蔵)
- 脇指
- 銘来国光(新身来国光)(個人蔵)
- 短刀
- 銘来国光(和歌山・広八幡神社)
- 短刀
- 銘来国光(法人蔵)1953年指定
- 短刀
- 銘来国光(稲葉来)8寸6分8厘。刀剣博物館所蔵
その他
- 太刀
- 銘「来国光」長77.8cm、反り2.5cm。彦根藩主井伊家伝来。初代井伊直政の差料。なかご磨上、「来国光」の三字銘。
- 太刀
- 朱銘「来国光」長71.6cm、反り2.2cm。4代藩主鍋島吉茂の佩刀と伝える。佐賀県指定の重要文化財。佐賀市徴古館所蔵
- 短刀
- 銘「来国光」(徳川家康所用)附打刀拵。昭和14年2月22日重要美術品指定。徳川家正公爵所持。
- 短刀
- 銘「来国光上/山城国住」昭和16年9月24日重要美術品指定、伊藤文雄所持。
- 短刀
- 銘「来国光」刃長八寸八分、反りなし。表は素剣と梵字、裏は護摩箸の彫り物。徳川家伝来、阿部斉氏蔵。鞘書き「後明院様御指代三千貫」
- 刀
- 額銘「來國光」。昭和10年(1935年)5月10日重要美術品認定。子爵大河内正敏蔵。
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