本朝鍛冶考
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本朝鍛冶考(ほんちょうかじこう)
刀剣本
鎌田魚妙著
寛政8年(1796年)刊
Table of Contents |
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概要
- 奥書
寛政七年歳次卯秋七月
鎌田三郎太夫著嘉永四年辛亥五月補刻
大坂書林
心斎橋通備後町 河内屋徳兵衛
同所 近江屋平助
寛政7年は1795年、嘉永4年は1851年。
- 国立国会図書館デジタルコレクションでデジタル化されたものを閲覧できる。
目次
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- 【巻之一】:畿内 古来鍛冶名籍并系圖諸説 デジコレ
- 【巻之二】:東海道 同名籍并系圖説 デジコレ
- 【巻之三】:東山道 同名籍并系圖説 デジコレ
- 【巻之四】:北陸道 同名籍并系圖説 デジコレ
- 【巻之五】:山陽道 同名籍并系圖 デジコレ
- 【巻之六】:山陰道并未訣 同 デジコレ
- 【巻之七】:南海道并未訣 同 デジコレ
- 【巻之八】:西海道并未訣 同 デジコレ
- 【巻之九】:諸國鍛冶異説并備考 デジコレ
- 名劍作者記:デジコレ
- 【巻之十】:畿内 様俗称刃文附属名 デジコレ
- 【巻之十一】:東海道 同中心圖説 デジコレ
- 【巻之十二】:東山道 同中心圖説 デジコレ
- 【巻之十三】:北陸道 同中心圖説 デジコレ
- 【巻之十四上】:山陽道上 同中心圖説 デジコレ
- 【巻之十四下】:山陽道 同中心圖説 デジコレ
正恒、則宗、国宗、光忠/長光/景光、兼光/長義
伯耆安綱 - 【巻之十五】:山陰道 同中心圖説 デジコレ
- 【巻之十六】:南海道 同中心圖説
- 【巻之十七】:西海道 同中心圖説
- 【巻之十八】:諸國鍛冶 同中心圖説 デジコレ
名劍作者記
- 天国「小烏丸」
- 平家小烏丸作人、大和國宇陀郡ノ鍛冶、同銘数代。小烏ハ文武天皇大宝以前ノ物ナルベシ無銘也
- 實次「髭切膝丸」
- 源満仲ノ太刀作人、備中或筑前ノ人トモ云。或西土ノ人トモ云。按水戸光圀卿、平家物語ノ参考劍ノ巻其正ヲ得タルベシ
- 道眞「猫丸」
- 宇多天皇御宇、寛平昌泰。右大臣菅道真公(菅原道真)ノ作ト云。此作ノ太刀猫丸ト云名刀有俗説也
- 宗近「小狐丸」
- 一条天皇御宇永延。三条古鍛冶。或小カチ(小鍛冶)トモ。少納言藤原通憲入道信西太刀小狐ト云名刀アリ
宗近は、一条天皇の御代、永延年間。三条古鍛冶あるいは小鍛冶ともいう。藤原信西の小狐を作った。
- 友安「獅子丸」
- 鳥羽天皇御宇、天仁。或陸奥國我里馬同人重永トモ。後徳大寺左大臣藤實定公(徳大寺実定)獅子丸ト号太刀作人
- 宗近「蝶丸」
- 三条小鍛冶、鎌倉権五郎平景政蝶丸ト号太刀有
- 助平「懐剣」
- 一条天皇御宇、永延。備前國信房、七男或基平トモ銘ス。此作ニ丹後守藤原保昌懐剣ト号名刀有
- 包平「簾丸或小手丸トモ」
- 同御宇、備前國信房六男、後鳥羽天皇御劍蒲穂丸或小手丸トモ号名刀有、頼朝公簾丸小手丸ト号
- 真守「木枯或抜丸」
- 嵯峨天皇御宇、弘仁天長。伯耆國安綱子大原住。平家形部卿忠盛抜丸初号木枯或抜丸ハ奥州ノ治ユ文壽作トモ云
- 吉家「鵜丸」
- 一条天皇御宇永延。或三条天皇御宇長和。三条宗近子後白川天皇御劍鵜丸作人、此劍後江源佐々木家ニ傳ト云
- 国永「鶴丸」
- 後一条天皇御宇、寛仁。有國子四條住弥太郎ト号。北条貞時朝臣ノ鶴丸ノ太刀作人
- 行平「利目丸」
- 後鳥羽天皇御宇。豊後國紀新太夫、先是三条天皇御宇長和。同國同銘有。利目丸作者ハ紀新太夫ト云。閑院家ニ有
- 光長「打丸」
- 村上天皇御宇、応和。或三条天皇長和又鳥羽天皇保安トモ。陸奥國舞草安房同人トモ又子行重同人トモ云
- 行重「鎧切」
- 同御宇、応和康保。或一条天皇正暦。安房後ノ銘トモ云。奥ノ秀衡、源義経ヘ此作ノ太刀を進ト云
- 諷誦「切居丸」
- 同御宇安房二男、或門人トモ云。鎌倉法華堂ヘ納メ後、切居丸在所不知。按フシユ風数ハ皆同人ナルベシ
- 助包「拔卉丸
- 一条天皇永延。備前國是助子左近将監。甲斐國某所持ノ太刀
- 菊御作「金丸」
- 後鳥羽天皇御作。或則宗造。菊ハ御作トモ云。佐々木道誉入道塩谷ヘ傳フト云
- 信房「摺丸」
- 村上天皇天暦天徳。備前國高平包平助平是助等ノハメ也。後鳥羽天皇御剣摺丸ノ作者或後ノ信房作トモ云
- 国友「乙丸」
- 後鳥羽天皇元暦。粟田口藤林左衛門尉。同御剣乙麻呂作者
- 国安「吹毛劍」
- 同御宇、元暦。粟田口久国弟、藤三郎。同天皇御剣吹毛ノ作者
- 助宗「菊丸」
- 同御宇。備前國福岡則宗子、号大一文字住修理亮。同天皇御剣菊丸ノ作者
- 宗吉「櫻丸」
- 同御宇。備前國。宗國子。福岡形部丞。或左近将監トモ。同天皇御剣櫻丸作者
- 友光「下食丸」
- 文武天皇大宝。天国門人。本三位中将重衡卿下食ノ太刀ノ作者
- 国綱「鬼丸」
- 順徳天皇、建保承久。粟田口國家六男。後鎌倉山内住。藤六左近将監。北条時頼太刀鬼丸作者
- 則宗「咲栗」
- 近衛天皇仁平二年生。順徳天皇建保二年死。壽六十三歳。或三浦介義明太刀咲栗作者。按此三浦ハ義澄欤義明討死。則宗廿三□
- 助重「烏丸」
- 二条天皇永暦。系図未詳。古備前助友助平是介等ノ末ナルベシ。後鳥羽天皇御剣烏丸作者。或雁丸トモ記誤冩ナラン
- 兼平「袖切或籠手丸」
- 一条天皇永延。河内國泰兼平。或包平ニモ作ル歟。包平ト銘ル者ハ備前同人にて泰ト別人。内大臣平重盛公袖切太刀ノユ也
- 国宗「旗守」
- 四条天皇嘉複仁治。備前権守三男、号備前三郎。禅林寺家旗守作者
- 菅恒「三寅丸」
- 二条天皇万壽。山城國平安城住。系図未詳。三寅丸作人。按備前菅本子ト同人ナルベシ
- 信房「壺切」
- 村上天皇天暦康保。備前國高平等ノ父ニテ宇津宮家相伝壺切作者。按 春宮ノ壺切ハ同名異物ナルベシ (※皇太子相伝の壷切ノ剣とは同名異物という意味)
- 真守「中丸」
- 嵯峨天皇弘仁。伯耆國大原住平相国清盛公太刀中丸作者。按忠盛卿ノ抜丸同物モ知ベカラズ
- 国行「面影」
- 後宇多天皇弘安。山城國来太郎。山名家面影作者
- 雄安「血噇丸」
- 一条天皇長暦。或村上天皇御宇天徳。陸奥國安房子トモ云。八幡殿鬼丸ノユトモ血噇丸トモト号太刀有ト云。其来由未詳
- 鬼王丸「骨喰」
- 三条天皇御宇長和寛仁。陸奥國森房子友長同人。骨喰ノ作者 (※骨喰藤四郎ではなく、「骨食」を指す)
- 吉光「蜘切薬研徹」
- 後宇多天皇、建治。粟田口国吉門人。結城入道太刀、金象嵌入。此作ニ小龍、小野、無銘、親子、庖丁、カイキリ、鯰尾、アラミ
読みやすさを考慮し、濁点及び句読点を追加した。基本的にどの天皇の時代(御宇)か、さらに活躍年号の後に、刀工自身の生国と、誰の佩用であったかが記述されている。按は按ずるに。後白川天皇は後白河天皇のこと。
例えば一番最後の吉光であれば、「蜘蛛切(蜘蛛切藤四郎)」や「薬研藤四郎」の作者として有名で、後宇多天皇の治世、建治年間(1275~1277)に活躍した刀工であり、粟田口国吉の門人とされる。結城入道が吉光作の太刀を所持し、金象嵌を入れた(結城越後入道道成であり、太刀ではなく短刀であるとされるが、詳細不明)。その他吉光作の著名刀には、「小龍(不明)」、「小野(不明)」、「無銘藤四郎」、「親子藤四郎」、「庖丁藤四郎」、「カイキリ(櫂切り)」、「鯰尾藤四郎」、「アラミ(新身藤四郎)」がある。という内容になる。
例えば一番最後の吉光であれば、「蜘蛛切(蜘蛛切藤四郎)」や「薬研藤四郎」の作者として有名で、後宇多天皇の治世、建治年間(1275~1277)に活躍した刀工であり、粟田口国吉の門人とされる。結城入道が吉光作の太刀を所持し、金象嵌を入れた(結城越後入道道成であり、太刀ではなく短刀であるとされるが、詳細不明)。その他吉光作の著名刀には、「小龍(不明)」、「小野(不明)」、「無銘藤四郎」、「親子藤四郎」、「庖丁藤四郎」、「カイキリ(櫂切り)」、「鯰尾藤四郎」、「アラミ(新身藤四郎)」がある。という内容になる。
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