当麻派


 当麻派(たいまは)

奈良当麻寺に属していたとされる刀工集団
大和伝
大和五派のひとつ

 概要

  • 「和名類聚抄」によれば、葛城郡当麻郷訓多以来(たいま)とし、その地の当麻寺に隷属していたものと推定されている。
  • 当麻派は国行を祖とし、正和年間の年紀銘がある。在銘作が少なく、鎌倉時代の国行以外に有俊を見る程度で、その他には南北朝期に友行、室町期にアリホウシなどが見られる。
  • 空中斎秘伝書

    一、當麻と保昌五郎と紛るゝことあり、されども當麻は地色青く紫色にて光るなり。保昌五郎は其心なし。
    一、當麻の刄の焼様の事、鎺本補足焼きて、中程の刄ふとくふくらの刄少し細めに其れより先の刄、いかにもふとく焼つむるなり。先の刄の内に錵(にえ)にて、はけ目あるなり。先の刄より地の内へ錵ぱつと散るなり。當麻のならひ總の錵細かなり。
    一、當麻の刀の出来様鎺本の刄細く、刀半分程より上は、多分乱焼なり。先の刄焼詰むる事同じ先のうちへ匂足入る。刀脇指と同前なり。

 名物

 その他

金象嵌銘 當麻 本阿弥又三郎磨上之(花押)/天正十一霜月日。刃長二尺二寸九分。昭和16年(1941年)9月24日重要美術品認定。認定時所持者黒川福三郎氏。のち黒川古文化研究所所蔵。天正11年(1583年)に本阿彌又三郎(光徳)が磨上て金象嵌を施したもの。
無銘 伝当麻。刃長二尺一寸七分。昭和10年(1935年)12月18日重要美術品認定。認定時所持者山口重一氏。
無銘 伝当麻。刃長二尺一寸八分。昭和11年(1936年)9月12日重要美術品認定。認定時所持者高島辰之助氏。のち佐野美術館所蔵。大磨上無銘。
無銘 伝当麻。刃長二尺四寸七分。昭和14年(1939年)7月13日重要美術品認定。認定時所持者倉田七郎氏。
無銘 伝当麻。刃長二尺一寸八分。昭和16年(1941年)9月24日重要美術品認定。認定時所持者黒川福三郎氏。のち黒川古文化研究所所蔵。大磨上無銘。茎に当麻国行の金粉銘があり、宝永7年(1710年)七百貫の折紙がつく。
短刀
朱銘 當麻。神埼正義氏旧蔵。
短刀
無銘 当麻。重要刀剣。小窪健一氏旧蔵。
無銘 当麻。「恐」字の金象嵌入る。重要刀剣。鈴木嘉定氏旧蔵。
大磨上無銘 当麻。福田豊氏旧蔵。
短刀
銘 当麻。

 刀工

 国行

  • 国宝の当麻国行がある。
  • その他小太刀 銘国行。一尺八寸五分五厘。

 友清

  • 国行の子で、元応年間という。当麻友清。

 友綱

  • 友清の子。文和年間。

 友長

  • 国清の子。正平年間。
短刀
大和國友長

 友行

  • 当麻友行。あるいは「ヒヤウエノセウ」と打つ。文和ごろ。

 利光

  • 当麻利光。建武前。

 次有

  • 大和当麻有法師同人ともいい、有法師の子ともいう。
短刀
銘 アリホウシ。
短刀
銘 アリホシ。

 有光

  • 二字銘。応永ごろ。

 有俊

  • 在銘刀が残る。文永ごろ。永仁年紀野作が残る。
  • ほかに「長有俊」という銘もある。
太刀
銘 永仁六年有俊。刃長二尺三寸一分(71.7cm)
太刀
銘 長有俊。刃長二尺三寸七分(70cm)。建武ごろ。

 関連項目


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