天井刳り正宗


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 天井刳り正宗(てんじょうぐりまさむね)


相州正宗の作
刃長二尺三寸

  • 身幅広く大切先、表裏に樋をかく。
  • 中心大磨上無銘。
  • 差表に「寛永七年三月二十一日胴落 切手浦上十郎兵衛」、裏「寛永九年三胴落 切手中川左平太 黒田美作守所持之」と金象嵌。
    • 浦上十郎兵衛は福岡藩士。中川左平太は千二百石取りの旗本で試刀家。

 由来

  • 由来は不詳。
  • ある時、この刀を大上段に振りかぶったところ、切先は天井に届いていないにもかかわらず、天井板に刳った穴が開いたという。

 来歴

  • 筑前上座部三奈木(現福岡県朝倉市)の領主黒田元男爵家伝来。
    • 三奈木黒田家は、黒田如水が有岡城で牢獄に入れられた時に世話をした加藤重徳の次男(黒田一成)に始まる。黒田二十四騎の一人
    • 重徳の次男は通称三左衛門。脱獄後、如水は牢での恩に謝するためこの三左衛門を養子に迎えた。のち様々な戦いで功を挙げ、福岡藩主黒田家の主席家老となり三奈木一万六千二百余石を領した。
    • 黒田長政より大坂夏の陣図屏風(通称「黒田屏風」)の制作を命ぜられる。この屏風は、現在大阪城天守閣所蔵で重要文化財指定。
  • 江戸中期に、三奈木の黒田美作守はこれを本阿弥太郎左衛門に研ぎ直させており、添え状には正宗とある。

    相模国正宗と相見申候、代金五百枚相究可申候


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