鬼童丸

鬼童丸(きどうまる)  

伝説の鬼の名前
鬼同丸

概要  

  • あるとき、源頼光が弟である源頼信の家の近くに行き、その家に泊まることになった。
  • 酒宴のとちゅう頼光が厠に立つと、童が捕えられていた。あれは何だ?と聞くと、「鬼童丸に候」という。

    頼信に、あれにいましめてをきたるものはたぞと問ひければ、鬼同丸也とこたふ

  • 頼光は驚き、「鬼童丸ならばもっとしっかり縛っておくべきではないか?」というと、源頼信も「確かにそのとおりだ」といい、郎党に命じてさらにしっかりと縛り付けさせた。
  • しかしその晩、鬼童丸は縛られていた縄からやすやすと抜け、頼光の寝室の天井裏からこっそりと頼光の様子を伺った。頼光はそれに気づき、「誰かある」と呼びかけると渡辺綱が現れた。頼光はわざと大きな声で「明日は鞍馬寺に参ることにしよう」と伝えて寝てしまった。
  • そこで鬼童丸が鞍馬寺に先回りし、市原野に向かうと一面の原で隠れる場所がなかった。そこで放し飼いの牛を殺し、その腹の中に隠れて待つことにした。

    くらまのかたへむかひて、市原野の邊にてびんぎの所をもとむるに、立かくるべき所なし。野飼の牛のあまた有ける中にことに大きなるを殺して、路次に引ふせて、うしの腹をかきやぶりて、其中に入て目ばかり見出して侍りけり。

  • 翌日、源頼光渡辺綱坂田公時、碓井貞光、卜部季武の四天王を引き連れてやってきた。市原野まで来ると、頼光は隠れている鬼童丸を見抜き、渡辺綱が鬼童丸が隠れていた牛を弓で射抜いてしまった。
  • 中から鬼童丸が飛び出てきたが、源頼光は騒ぎもせず一刀のうちに鬼童丸の首を落としてしまったという。

    腹の内より大の童打刀をぬきて走出て頼光にかゝりけり。見れば鬼同丸也けり。箭を射たてられながら猶事ともせず敵に向ひけり。頼光は少もさはがず太刀をぬきて、鬼同丸が頭を打おとしてけり。(古今著聞集)

異説  

  • 他の説話集でも登場する。
    1. 酒呑童子の子】源頼光らが酒呑童子を討ち取った後捕われていた女どもは解放されたが、そのなかに身籠っていたものがおり、雲原のあたりで童子の子供を産んだという。その子が長じて親の仇である源頼光を付け狙ったとする。
    2. 【捨て童子】:もとは比叡山の稚児で、悪行を働いたために追放され山中の洞窟に逃れ盗賊になったとする。
    3. 袴垂との術くらべ】:山中の洞窟にいた鬼童丸が盗賊袴垂と術くらべをする。

鬼童丸の登場する作品  

  1. 漫画「NARUTO -ナルト-」において、次郎坊・鬼童丸・左近・多由也・君麻呂で構成される「音の五人衆」のひとりとして登場する。