長運斎綱俊(刀工)

長運斎綱俊(ちょううんさいつなとし)  

新々刀期の刀工
水心子正秀門下

  • 当時備前伝の第一人者と称えられた名工。

概要  

  • 寛政10年(1798年)生まれ、文久3年(1863年)12月没。
  • 加藤和泉守国秀の三男。
  • 本名は加藤八郎(加東八郎)。
  • 兄は、山形藩工で濤瀾刃の名手であった加藤綱英。
  • 号は長運斎。
  • 水心子正秀に学ぶ。
  • 江戸に移住し、さらに大阪に上がり、鈴木治國に師事したのち西国を遊歴し、熊本に駐槌する。
  • 安政3年(1856年)には「長運斎」を息子の是俊(二代綱俊)に譲り、銘を「長寿斎」と改める。
  • 文政6年(1823年)頃より江戸麻布の上杉家中家敷に住み、文久3年(1863年)にその生涯を終えた。

著名作  

髭切
銘「髭切丸ヲ写長運斎綱俊造之/天保十三年二月日」小烏丸写しの刀で、銘には髭切丸ヲ写とある。
通抜
銘「加藤綱俊鍛之 天保八八月廿一日於千住 両車五ツ真向四ツ八巻四ツ 伊賀四郎左衛門乗重截断」「両車五ツ真向四ツ八巻四ツ 山田五三郎 両車四ツ真向二ツ 後藤為右衛門 老グルマ太々 長畑芳太郎 号通抜」、棟に「天保八酉二月吉日作之」
雲井
銘「雲井 於東都加東八郎綱俊造之 天保九年二月日」
脇指
「加藤長運斎綱俊/文政十一年八月日」長50.5cm、反り1.3cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
短刀
銘「万才綱俊造/文政五年四月日」長25.2cm、反り0.2cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
脇指
銘「出羽国米沢士綱俊/於東都麻布造之 天保二年十月四日」長51.2cm、反り2.1cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
銘「於東都加藤綱俊造/天保五年八月吉日」長70cm、反り1.7cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
脇指
銘「加藤綱俊/天保九年八月日」長48.8cm、反り1.4cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
銘「於江府長運斎綱俊作之/嘉永元年十月吉日同年廿三日太々壇拂」長73cm、反り2.6cm。目釘孔1個。米沢市指定文化財。米沢市上杉博物館所蔵
脇指
銘「於江府長運斎綱俊作之/嘉永元年月日」長50.4cm、反り1.4cm。目釘孔1個。米沢市指定文化財。米沢市上杉博物館所蔵
銘「於東都加藤綱俊作之/嘉永四年八月日運寿是一淬之」長70.9cm、反り1.4cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
脇指
銘「於江府長運斎綱俊/嘉永四年八月日」長51.8cm、反り1.3cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
銘「於江府長運斎綱俊/坂寄歓喜所持」長69.8cm、反り2.1cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
脇指
銘「長運斎綱俊/子孫栄久」長35.2cm、反り0.8cm。目釘孔2個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
銘「綱俊/是俊焼」長69.1cm、反り1.6cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
脇指
銘「加藤助太郎綱英 父国秀彫/文化五年四月」米沢市上杉博物館所蔵 ※赤羽刀
太刀
銘「奉納延貞経 羽州米澤臣加藤宝壽造之/同姓長運齋綱俊造之 天保二年四月吉日」米沢市上杉博物館所蔵 ※赤羽刀


系譜  

加藤綱英  

  • 長運斎綱俊の実兄。米沢藩上杉家に仕えた。
脇指
銘「加藤助太郎綱英 父国秀彫/文化五年四月」長38.2cm、反り0.8cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
銘「加藤綱英於東都作之/文化七庚午年五月日」長70.5cm、反り1.6cm。目釘孔1個。重要美術品。米沢市上杉博物館所蔵
銘「於東都麻布米沢臣加藤綱英造之/鍛者家之法相者 米山先生之直伝子孫繁栄無難長寿諸人愛敬之吉則 剣世大竹氏依好諺鍛之」長64.2cm、反り2.7cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵

二代長運斎綱俊(是俊)  

  • 米沢藩上杉家に仕えた。
銘「於江府長寿斎綱俊/文久三年二日吉日長運斎是俊」長69.1cm、反り1.8cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
短刀
銘「長運斎是俊/文久三亥八月日」長26.8cm、反り0.2cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
短刀
銘「長運斎綱俊造之/慶応元年十月日」長28.1cm、反り0.2cm。目釘孔1個。米沢市上杉博物館所蔵
  • 二代綱俊の子に千代鶴是秀。

石堂是一(運寿是一)  

  • 運壽是一
  • 長運斎綱俊の甥。通称政太郎。7代目石堂是一となる。
  • 石堂派の中興の祖となる。
  • 弟子に、下記がいる。
    • 正恒:水戸平助。一心斎。嘉永3年2月免許。稲葉伊予守家臣。
    • 俊胤:池田忠蔵。嘉永6年11月免許。松平伯耆守家臣
    • 信一:加多左兵衛。安政2年3月免許。九鬼式部少輔家臣
    • 允興:角大助。松軒安国。安政4年10月免許。松平肥後守家臣
    • 徳勝:勝村彦六。安政4年6月免許。水戸徳川家家臣
    • 秋胤:服部圖南介。万延元年9月免許。酒井雅楽守家臣
    • 秀一:吉田文二郎。元治6年4月免許。牧野備前守家
    • 義正:加多岩二郎。明治2年8月免許。米沢藩士。

弟子  

  • 弟子に固山宗次、高橋長信、青竜軒盛俊など数多くの優れた門人がおり、幕末の江戸で一大流派を築いた。
  • 殊に備前伝では水心子一門を凌ぐ勢いであったと言う。