薄金

薄金(うすかね)  

源義家からの八領の鎧のひとつ源氏重代相伝の鎧。
緋威の鎧

由来  

  • 当時は技術的に非常に難しかった、薄い小さな金属の札を何枚も使用して作ったという。
  • 通常、鎧は革の札に主に鉄の札を混ぜる「金交(かなまぜ)」、または両者を交互に混ぜる「一枚交(いちまいまぜ)」という手法で作られる。
  • これらとは異なり、鎧全体を薄い鉄の札で作り上げた鎧のことを「薄金鎧」と言う。

来歴  

  • 源氏の棟梁のみが着用を許された。
  • 後三年の役で、義家が伴次郎傔杖助兼という剛の者に着せたと言う。
  • 六条判官源為義は、最期の合戦となった保元の乱の時にこの「薄金」を着けたという。

猿投神社所蔵  

樫鳥糸威鎧
重要文化財
猿投神社蔵

  • 愛知県豊田市の猿投神社(さなげじんじゃ)に、「樫鳥糸威鎧(かしどりいとおどしよろい)大袖付」という重要文化財がある。
  • これが源氏の「薄金」であるという伝承が存在する。
  • 社伝によれば、後三年の役で三河の伴次郎助兼が際立った武勇を示し、常に先陣に立った。これを賞賛した八幡太郎義家が薄金の鎧を与えたという。
  • この戦で兜は打ち落とされ、紛失したが、残った鎧を猿投神社に奉納したものである。
  • ただしこちらは楯無と違い、源氏八領の現存するものとされてはいない。

他家の薄金  

  • 源氏八領の薄金が高名だが、他にも伴次郎助兼、木曽義仲、新田義貞、小早川家重伝などの薄金が伝わる。