星月夜正宗

星月夜正宗(ほしづきよまさむね)  

脇差
大磨上無銘
正宗極め
一尺九寸四分

由来  

  • 刃紋が大互の目乱れで、砂流しかかり打ちのけ金筋などが多く、夜空の星を見るがごとくであったために名付けられたという。

来歴  

足利将軍家  

  • もとは足利将軍家所蔵。

武田家  

  • 武田信玄が足利義輝より拝領したと伝わる。
    • この時は相州正宗極めとされた。

家康  

  • 武田家滅亡後に家康が入手。

松平忠輝  

  • 六男の松平忠輝に与えるが、元和2年(1616年)7月忠輝が流罪になった後に将軍家に戻る。

水戸家  

  • 十一男の水戸家頼房が拝領し、以来同家に伝来する。
    松平忠輝から水戸頼房へという流れは「三日月正宗」と同じ
  • 水戸家9代藩主の斉昭まで伝わる。

土屋家  

  • ここから土屋家に伝来するが、幾つかの説があり判然としない。
    1. 斉昭から従兄弟の土屋寅直へ
    2. 斉昭から子の土屋挙直へ
    3. 斉昭から子の池田慶徳に伝わり、そこから慶徳弟の土屋挙直へ
  • 万延元年(1860年)8月、水戸の徳川斉昭が薨去、その形見分けで従兄弟にあたる土屋寅直に贈られた。
    徳川治保─┬徳川治紀─┬徳川斉脩  ┌徳川慶喜
         │     ├松平頼恕  ├徳川昭武
         │     ├徳川斉昭──┼池田茂政
         │     └松平頼筠  ├池田慶徳
         │            └土屋挙直
         ├松平義和          ↓
         └土屋彦直─┬土屋寅直━━━土屋挙直
               └戸田氏範
    
    
    この場合、斉昭から従兄弟の土屋寅直へということになる。
  • あるいは斉昭の死後、岡山藩主池田茂政、鳥取藩主池田慶徳などの兄弟が集まり形見分けをした。この時みな正宗を所望したため兄弟3人で分けることとなり、土屋家は武田家臣の流れということで「星月夜」をもらったという。
    この場合、父斉昭から、子の土屋挙直にということになる。
  • さらに、斉昭の5男で因幡国鳥取藩12代藩主となった池田慶徳へと伝わり、その遺物として実弟にあたる土屋挙直(斉昭の17男、常陸土浦藩11代藩主)に贈ったともいう。
    この場合、一度斉昭から子の池田慶徳に伝わり、そこからさらに実弟の土屋挙直へと伝わったということになる。池田慶徳は明治10年(1877年)8月没。土屋寅直は慶応4年(1868年)に家督を譲って隠居、土屋挙直は明治25年(1892年)没。
  • このように伝来が混乱しているが、土屋挙直は土屋寅直の養子となって継いでいるため、いずれにしろこの2代の間(1860年~1880年ごろ)に土屋家に伝わったということになる。
参考)徳川斉昭の系譜

徳川斉昭
 正室:登美宮吉子
  長男:慶篤 (水戸藩10代)
  次男:早世
  七男:慶喜(一橋当主、15代将軍)
 側室:直
  四男:早世
  八男:松平直侯(川越藩主6代)
  十男:松平武聰(石見浜田藩4代)
  十三男:早世
 側室:貞子
  三男:早世
  五男:池田慶徳(因幡鳥取藩12代)
  九男:池田茂政(備前岡山藩9代)
  十二男:早世
 側室:登聞
  六男:早世
 側室:利子
  十一男:喜連川縄氏(下野喜連川藩11代)
 側室:睦子
  十四男:松平昭訓
  十七男:土屋挙直(常陸土浦藩11代)
  十八男:徳川昭武(清水家当主、水戸藩11代)
  二十二男:松平頼之(陸奥守山藩7代)
 側室:徳子
  十五男:早世
  十六男:松平忠和(肥前島原藩8代)
  二十一男:早世
 側室:悦子
  十九男:松平喜徳(会津松平10代、森山松平9代)