懐宝剣尺

懐宝剣尺(かいほうけんじゃく)  

刀剣評価書
山田家の五代目当主朝右衛門吉睦
寛政九年(1797年)刊行

  • 徳川幕府の御試御用首斬り役を請け負った山田家の五代目当主朝右衛門吉睦が寛政九年(1797年)に刊行した書物
  • 山田朝右衛門と須藤五太夫が試し切りした結果を、門人の今井右門、小松原甚兵衛、山田権之助らが校訂し、柘植平助編集のもと出版された。

「業物」  

  • 「業物」「大業物」などの尺度で刀工別の切れ味を示した。
  • 最上大業物12工、大業物21工、良業物50工、業物80工、大業物・良業物・業物混合65工の計228工にも及ぶ刀剣の評価を行っており、好評だったのか増補版が「古今鍛冶備考」として文政13年に刊行された。

経緯  

  • 戦国時代が終わって江戸時代(元和偃武)になると、実際に人を斬ることが少なくなり刀の評価が難しくなってきた。
  • 特に慶長以降に作られた「新刀」と呼ばれる刀工の評価は難しくなっており、幕府から「御試御用(おためしごよう)」として処刑された罪人の死体を使っての試し切り役を仰せつかった山田家が独占することとなった。
  • 長年の切れ味の評価をまとめたものがこの「懐宝剣尺」である。
  • この書で「最上大業物」の筆頭として選ばれた長曾禰虎徹が人気を博する元となった。

著名工  

一覧  

分類刀工
最上大業物備前秀光虎徹多々良長幸陸奥守忠吉(三代)、初代助広(大坂)、板倉照包、仙台国包(初代)、関兼元(二代)、肥前忠吉(初代)、興正、会津初代長道三原正家(応永)、和泉守兼定(のさだ)、備前元重、備前大兼光
大業物加州兼則、堀川国安、応永康光(右京亮)、和泉守兼定、板倉照包、堀川国広、加州勝国(初代)、肥後守国泰(初代)、近江大掾忠広(初代)、永正祐定、彦兵衛祐定、角津田助広、初代和泉守国貞主水正正清主馬首安代、藤四郎祐定(天正)、越前守信吉、加州兼若(初代)、応永盛光、高天神兼明、応永家光(備)、青江家次、青江近依、備前親次、応永関兼春、直江兼友(初代)、大志津兼氏、関初代兼延、永正兼房(三代)、二字銘初代兼定、永享関初代兼貞、関兼基、二代目兼元(初めは最上)、正応大和包利、初代包永、二代包永、大和初代包吉、文明勝光、元徳景光、元徳景政、青江四代吉次、備前義景、青江忠次、青江四代次吉、備中左兵衛恒次、備前順慶長光、左近将監長光青江直次(文禄)、大和尻懸則長(初代)、同二代則長、青江二字延吉、初代来国俊、同二代国俊、延寿国時(建治)、相州来国次備前三郎国宗、法城寺国光(但馬)、三原正家、中堂来光包、応安青江盛次
良業物長船盛景則光(助右衛門、五郎左衛門)、忠綱(一竿子)、長船秀助兼常(福三郎)、政長(會津)、直道(丹後守)、兼植(越前、初代)、勝光(右京亮、次郎左衛門)、兼定(會津)、法光(初代、二代)、吉広(伊勢大掾)、康広(初代)、正則(大和大掾、初代)、吉門(武蔵守)、忠行(大坂、初代)、吉道(京、大坂、丹波守、初代)、貞次(伊賀守)、兼定(関、三代)、綱広(相州、初代)、吉道(京、大坂、丹波守、二代)、宗光(左京進)、家助(次郎左衛門、二代)、光平(日置)、行長(高田)、祐定(永正、九代)、氏房(初代)、常光(日置)、祐光(嘉吉)、国重(大与五)、国包(二代)、忠重(奥和泉守)、助直(津田)、是一(初代)、正真(金房)、兼房(関、文亀)、康継(初代、二代)、国俦(越後守)、兼重(上総介)、忠光(彦兵衛、初代、二代、三代)、重国(南紀、初代)、正利(坂倉、初代、二代)、兼則(越前)、宗弘(日置)、久道(初代)、国宗(岡山)、国次(山城大掾、初代)、安定(大和守)

版による違い