姫鶴一文字

姫鶴一文字(ひめつるいちもんじ)  

太刀
銘 一(号 姫鶴一文字)
附 黒漆合口打刀拵
刀長2尺3寸7分(約71.5cm)
重要文化財
米沢市上杉博物館蔵

  • また「上杉家刀剣台帳」では「乾」3号に記載
  • 鍔のない拵えになっており、世に「上杉拵」と呼ばれる。
  • 棟に切り込み、中心少し区送り、中心先を切ってある。
  • 目釘孔3個、うち1つを埋める。なかご鎺下に「一」在銘。

由来  

  • 磨上げに出したところ、夢に姫君が現れ磨上げしないよう懇願されたという。姫の名を尋ねると「ツル」と答えた為、その後「姫鶴一文字」と号したという。
  • 刃文の状態が鶴の羽に似ているからとも、また山鳥毛一文字に比べるとこちらは穏和な刃紋でありかつ長さも2寸ほど小さいために「姫鶴」と号したとも伝わる。

伝来  

  • 謙信の死後十年後の天正16年(1588年)の押形本には、「姫つる一文じ也。上々、百貫、美禰(棟)一文字也。やきば大乱也」という注記がある。
  • 上杉家に伝わった
  • 明治24年(1891年)、今村長賀が拝見しており、「無類の華美なる出来、御拵前に同じ。 上々」と述べている。
  • 戦後売却され同家を出た。
  • 平成に入り、米沢市が8000万円で購入し、米沢市上杉博物館に所蔵された。

エピソード  

明治天皇巡幸  

  • 明治14年(1881年)の明治天皇の巡幸のおり、10月2日には米沢の上杉家に立ち寄り上杉家伝来の名刀の数々を閲覧された。この時当主上杉茂憲は沖縄県令となっていたため、父上杉斉憲が案内したという。
  • 中でも姫鶴一文字がとくにお気に入ったとみえ、押形(刀剣拓本)を所望されたという。無類の愛刀家でもあった明治天皇は名刀に夢中になり、翌日の予定がキャンセルされるというハプニングが起きたほどであったという。
  • 上杉家の重宝の中から太刀徳用守家」と国宗の短刀が献上され、御礼挨拶として銀杯「唐草毛彫菊紋銀杯」が下賜された。

八千万円の刀より4万冊の蔵書  

  • 現在も山形県米沢市が所有するが、2003年の米沢市長選挙において安部三十郎氏が「一振り8,000万円の刀より、4万冊の蔵書」と主張して選挙の争点の一つとなり、安部氏は当選した。
  • 同市で議論が続いているようだがまだ売却はしていない。