大慶直胤(刀工)

大慶直胤(たいけいなおたね)  

新々刀期の刀工
水心子正秀門下
新々刀最上作

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概要  

  • 安政7年羽前山形の生まれ。
  • 俗名庄司(荘司)箕兵衛。
  • もとは鎌鍛冶であったが、24歳で刀工を志し江戸に出て水心子正秀に師事する。号は大慶、格物道人。
  • 寛政13年に23歳で独立。初め日本橋堀江住。のち神田に移るが火災にあい和泉橋に移る。
  • 文化9年ごろに師の推薦により師とともに館林藩主秋元家に召し抱えられる。
  • 腕は師を遥かに凌駕すると評価される。
  • 文政4年に筑前大掾、嘉永元年には美濃介を受領する。
  • 享和から安政ごろにかけて50年間鍛刀を行う。
  • 名声が上がり、その間、江戸を始めとして京、大坂、伊勢、遠州、三河、伊豆、相模、下総、常陸、千葉、信濃、備中など各地で鍛刀している。各地で駐槌し地名を刻印で遺す。
  • コロモ(三河挙母)、サカミ(相模)、イツ(伊豆)、エンシウ(遠州)、イセ(伊勢)、シナノ(信濃)、ナニハ(浪速)、ヒッチュ(備中)、助川(常陸)、ヲシテル(大坂)、都(京都)、チヤ(備中千屋)、宮(丹後宮津)、桜花の中に総(下総佐倉)、チバ(千葉)、二荒(日光)など。安政4年5月27日没。79歳。
  • 銘は「直胤」「出羽国住人荘司直胤」「荘司箕兵衛大慶直胤」「造大慶直胤」「大慶直胤造」「荘司筑前大掾藤直胤」「荘司美濃介藤原直胤」など。
  • 娘が水心子正秀の養子次郎太郎直勝に嫁いでいる。

著名作  

銘「大慶直胤/山田浅右衛門大雁金土壇拂 文化志知(7)年仲春於東府千住」目釘孔の上を月形に彫り、月日を表す。
銘「大慶直胤/於東武造之」長一尺二寸八分六厘、反り三分。相州上位を模した物。なかごの目釘孔は、丸、四角、と異風。
銘「出羽国大慶庄司直胤/文化十二乙亥年仲秋応杉原軍記正包望造之」長二尺二寸九分、反り五分三厘。目釘孔1個重要美術品
銘「大慶/天保三年正月日 サガミ鍛エンシウ濱松ニテ焼刃」刀身に「君が代は千代にやちよに小石の、巌となりて苔のむすまで 直胤」の刻字。長一尺五寸四分、反り二分。
大小刀
銘「直胤/天保六乙未年二月」林田等氏旧蔵、柴田光男氏旧蔵
脇差
銘「七十八翁藤直胤」
銘「七十翁藤直胤(花押)弘化二申ノ二月 日依/太政殿下台命所造之御太刀副作也」昭和15年9月27日重要美術品指定、鈴木清助氏所持。
銘「造大慶直胤(花押)/天保九年一陽来復日」長2尺3寸9分(72.45cm)、反り2cm。※一陽来復は、冬が終わり春が来ること、悪いことが続いた後で幸運に向かうことの意。
銘「藤原直胤(花押) 天保八年一陽来復日」平成15年3月11日岡山県指定重要文化財。津山市・個人蔵
銘「荘司筑前大掾大慶藤直胤(花押)/文政四年五月日」

系譜  

義胤  

  • 吉胤とも。本荘亀之助。

直勝  

  • 大慶直胤の女婿となる。
  • 「上総次郎直勝」「荘司次郎太郎直勝」など
  • 上野館林の秋元家に召し抱えられる。安政5年53歳で没。
銘「荘司次郎太郎藤原直勝/嘉永元年小春日」長二尺三寸八分、反り五分五厘。備前兼光写し。

二代直勝  

  • 直勝の子。
  • はじめ直好、文久2年に直勝を継ぐ。
  • 銘「荘司弥門直勝」など
  • 廃刀令後の明治17年まで生きた。

細田平次郎直光(鍛冶平)  

  • 次郎太郎直勝門。
  • 鍛冶平直光
  • 名工の押形を収集するが、のち虎徹をはじめ忠吉水心子正秀などの偽作を多数作刀する。