九字兼定

九字兼定(くじかねさだ)  


銘 和泉守藤原兼定
裏銘 臨兵闘者皆陣烈在前

  • 美濃国関の兼定(二代)作
    • 二代和泉守兼定は、「定」の字が、「㝎」(ウ冠の下に「之」)と切られていることから、之定(ノサダ)と呼ばれる。「関の孫六」と称される兼元とともに美濃関鍛冶を代表する存在で、「最上大業物」に分類される。

由来  

  • 裏銘は「臨兵闘者皆陣烈在前」の九字が切られており、ここから九字兼定の名がついた。
  • 「兵ノ闘ニ臨ム者ハ皆陣烈ノ前ニ在レ」と読む。
    読み方については諸説あり。

来歴  

  • 九字兼定は永正10年(1513年)前後の作とされる。
  • 近代まで現存していたが個人所蔵のためか現在行方がわかっていない。

九字  

  • 道教を源とする九字は「臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前」であり、同音の異字を当てる仮借となる。

    臨兵闘者皆陳列在前
    臨兵闘者皆陣烈在前(九字兼定)

他の九字銘  

  • 之定以外にも九字銘がある。
「陳烈」
長船勝光や春光、鬼塚吉国
「陳列」
遠州三秀
「陣烈」
和泉守兼定、三河守陳直
「陣列」
左行秀や尾崎正隆
「陣烈勝」
手貝包貞
「前一」
伊達家伝来「長吉」
  • ”一”は九字を切れば一切無得、一切成就の意味。”前”は九字を表す
縦線5本、横線5本
長船彦左衛門尉祐定
九字には、正式な「切紙九字護身法」と簡易的な「早九字護身法(四縦五横符ともいう)」がある。後者は、空間上に格子状の結界をはることで邪悪なものの侵入を防ぐ効果があるとされ、武士や忍者が利用したとされる。縦横の線で九字を代用しているのは、この「早九字護身法」を模している。
縦線横線3本ずつ
千子村正と島田助宗の合作刀