ソハヤの剣

坂上田村麻呂の佩用刀と称されるものが複数伝わる。

  1. 【黒漆太刀重要文化財、鞍馬寺所蔵
  2. 【騒速】重要文化財、播磨清水寺所蔵
  3. 【楚葉矢の剣】:子嶋寺旧蔵
Table of Contents

ソハヤの剣(そはやのつるぎ)  

太刀
無銘
附黒漆剣
刃長二尺五寸三分(76.6cm)
重要文化財指定
鞍馬寺所蔵

  • 標剣(しるしのつるぎ)
    標剣とは「標の太刀(しるしのたち)」といい、天皇が持節将軍に与えた節刀のこと。
  • 坂上宝剣、黒漆大刀
  • これが「そはやのつるぎ」とされる。騒速、粗速丸、楚葉矢の剣
  • 直刀の太刀で、切刃造。先わずかに内反り。

来歴  

  • 征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷の蕨手刀に対抗するために作らせた細身で重ねの厚い剛刀。雷が鳴ると、ひとりでに鞘走るという。
  • これを愛刀にして田村麻呂は蝦夷を征伐したという。
  • 田村麻呂の死後、天皇家の御剣となって「坂上宝剣」と呼ばれ、今は鞍馬寺に「黒漆大刀(こくしつのたち)」として所蔵されている。
    ただし鞍馬寺ではこの「黒漆剣」を「坂上宝剣」とは呼んでいないということで、別物であるとしている。


ソハヤ丸  

大刀
騒速
重要文化財
播磨清水寺所蔵(兵庫県加東市)

  • 兵庫県加東市平木の御嶽山清水寺(播州清水寺、西国三十三観音第25番札所)にもソハヤ丸が伝承する。
  • 寺伝では、桓武天皇の御代に坂上田村麻呂が参籠して奉納したという。

    桓武天皇の頃、征夷大将軍坂上田村麻呂丹波路より参籠、蝦夷の逆賊高麿を討取り、鈴鹿山の鬼神退治を遂げたが、聖者大悲観音の霊験を受けその報謝として佩刀騒速、副剣の2振を奉納す

  • 三振りの大刀が残っており、どれがソハヤ丸かはわからない。
    1. 刃長1尺3寸5分(41.1cm)、切刃造
    2. 刃長1尺4寸2分(43.2cm)、鋒両刃造
    3. 刃長1尺4寸2分(43.1cm)、鋒両刃造
  • 「大刀 三口 附拵金具十箇」として、騒速を含む3振の大刀が昭和56年(1981年)6月9日に重要文化財に指定。


楚葉矢の剣(そはやのつるぎ)  

  • 「楚葉矢丸」とも。
  • 坂上田村麻呂所持。
  • 子嶋寺の旧蔵(奈良県高市郡高取町)。
  • 元禄9年(1696年)、町口右衛門伊貞というものが田村大明神の神影を再興するというので、信貴山の千手院と光明院の住持が田村麻呂の遺物と伝わる「楚葉矢の剣」と矢尻とを探しだして町口右衛門に寄付したという。
  • 楚葉矢の剣というのは、┐の形になっている一種の鉾であり、25cmほどの槍の穂先が直角に曲がって9cmくらいの鎌がでた格好になっている様を指している。


ソハヤノツルギウツスナリ  

  • ソハヤの剣を写したという剣
    ただし現存するソハヤの剣と思しきものはすべて剣であって湾刀ではない。写したという元の刀がどのようなものであったのかについては、現在は不明。
  • 死期の迫った徳川家康が、都筑久大夫景忠に命じて江戸城内で試し切りを行わせ、大坂の役後もなお不穏な動きのある西国に対し、自らの墓所にこのソハヤノツルギの切先を西方に向けて置くよう遺言したという太刀
  • ソハヤノツルギ」の項参照