岡野多郎松

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岡野多郎松(おかの たろまつ)  

日本の実業家
愛刀家
号 備山

概要  

  • 明治33年(1900年)10月10日岡山県児島に、父岡野万次郎と母小峯の長男として生まれる。家業は塩田と農業を営んでいた。
  • 大正8年(1919年)、木製の広幅織機4機を買い入れて岡山の地で岡野織物工場を創設して織物業を開始する。
  • 昭和3年(1928年)~昭和4年には、鉄製織機160台を備え、第二工場を建設するほど成功する。昭和8年(1933年)第一工場が出火で全焼。
  • 昭和12年(1937年)学生服の製造を開始し、「まるまん学生服」のブランド名で全国展開する。
  • 昭和15年(1940年)戦時体制移行に伴い、児島地区織物11工場の企業合同を行い、日本製織有限会社を設立し、その代表者となる。さらに後、私財を供出して日本航空工業有限会社と社名変更し立川飛行機の協力工場となる。
  • 昭和20年(1945年)9月、航空会社を清算し、新たに織機を購入し岡野興業有限会社に改組、暫時増資を行い昭和26年(1951年)8月に株式会社化。
  • この頃に経営多角化し、昭和28年(1953年)には学生服部門(ミシン部)を丸万被服株式会社として分離独立させている。
  • 昭和32年(1957年)4月、児島市内有力メーカー22社を統合して日本学生服株式会社を設立し、その代表取締役会長となっている。

政界・財界活動  

  • 昭和21年(1946年)に児島商工会議所が設立され、副会頭に就任する。
  • 昭和23年(1948年)5月児島市市会議員当選。
  • 昭和29年(1954年)11月に児島商工会議所の四代目会頭に就任、昭和37年(1962年)まで続けている。

愛刀家  

  • 愛刀家で知られ、岡山では林原一郎氏(林原グループ三代目社長)と競い合うように名刀を集めたという。
  • 最初は手当たり次第に阪神・京都方面で刀を買いあさり、所蔵刀の数は数百口に及んだという。しかし指導者もなく我流であったため、たいていは偽物か再刃であり、いいものでも二流・三流品であったという。その後、この時期の刀はすべて手放している。
  • その後、値段は高くとも信用できる愛刀家から譲ってもらうという方針に転換し、まず神戸芦屋の愛刀家瀬戸保太郎氏を根気よく訪問し、昭和10年(1935年)に生ぶ中心の光忠を購入したのが転換期であったという。戦後、昭和22年(1947年)~25年ごろに掛けて旧大名家が所蔵していた刀剣を入手している。
  • 「備山愛刀図譜」所載刀以外にも、名物小青江」、名物豊前江」を入手していたが出版前に手放している。
  • 本間順治(本間薫山)とは昭和10年(1935年)ごろから面識があり、のち「備山愛刀図譜」を出す際にも、本間は佐藤寒山とともに協力している。
  • 昭和23年(1948年)4月には日本美術刀剣保存協会の評議員となっている。昭和23年(1948年)6月美術刀剣審査委員就任。
  • 昭和24年(1949年)10月、日本美術刀剣保存協会の岡山県支部を設立し支部長に就任する。昭和28年4月で辞任し、顧問。
  • 昭和29年(1954年)4月、岡山県重要文化財審査委員。
  • 昭和33年(1958年)4月、日本美術刀剣保存協会の重要刀剣審査員に就任。

備山愛刀図譜  

  • 昭和33年(1958年)に愛刀の図録集である「備山愛刀図譜」を刊行している。
  • この時、「自分は、立派な墓を立てるかわりに、この本を作るものである」と話したと本間順治が序文に記している。また本人も序文で「岡野のうぬぼれはまだなおらぬのかとか、僅かの刀剣蒐集を自慢するのかなどと皆様の御叱笑を受けはせぬかと幾度も躊躇したわけです。結局意を決して私の最もかがやかしい墓場としてこの図譜を出版することに致しました」と記している。

掲載刀一覧  

  1. 国宝 短刀 無銘正宗 名物 庖丁正宗(包丁透し正宗
  2. 重文 短刀 朱銘貞宗 名物 朱判貞宗
  3. 短刀 無銘村正 号 揚羽
  4. 重文 刀 無銘伝国行
  5. 刀 平安城長吉 号 倶利伽羅長吉
  6. 重文 太刀 正恒 号 大正恒
  7. 国宝 太刀 無銘一文字 号 山鳥毛
  8. 国宝 太刀 吉房
  9. 国宝 太刀 景光・景政合作
  10. 国宝 短刀 景光 号 謙信景光
  11. 太刀 秀光
  12. 太刀 経家
  13. 重文 太刀 盛光
  14. 刀 則光
  15. 重文 刀 与三左衛門尉祐定
  16. 短刀 与三左衛門尉祐定
  17. 重美 刀 源兵衛尉祐定 号 三頭割
  18. 刀 彥左衛門尉祐定
  19. 刀 彥兵衛尉祐定
  20. 刀 祐定 号 双竜祐定
  21. 刀 忠光 号 千疋忠光
  22. 重美 刀 忠光 号 走雲忠光
  23. 刀 勝光・宗光合作
  24. 刀 次郎左衛門尉勝光同修理亮作 号 父子勝光
  25. 刀 新九郎藤原盛重
  26. 刀 孫右衛門尉清光
  27. 刀 孫右衛門尉清光
  28. 短刀 利光主松田弾正左衛門尉秀時
  29. 国宝 太刀 貞次
  30. 重文 短刀 国吉(西蓮)
  31. 重文 刀 長曾禰興里入道乕徹 号 山奈良波
  32. 脇指 長曾禰興里入道乕徹
  33. 短刀 長曾禰興里真鍛作
  34. 重文 短刀 山城国西陣住人埋忠明寿
  35. 重文 短刀 国広 号 堀部国広
  36. 短刀 洛陽一条住藤原国広造 号 将監国広向井国広

以下略

参考文献  

  • 「備山愛刀図譜」 版元:岡野多郎松 1958年

関連項目