山浦真雄(刀工)

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山浦真雄(やまうらさねお)  

江戸時代後期、新々刀期の刀工
源清麿の兄

概要  

  • 完利、寿昌などと銘し、のち正雄、真雄、さらに晩年は寿長と銘した。
    清麿の弟子にも源正雄がおり、読みが被るために清麿兄を「真雄(さねお)」、「山浦真雄」と呼び、清麿弟子の源正雄を「正雄(まさお)」、「江戸正雄」と呼ぶ。

生涯  

  • 文化元年(1804年)8月、小県郡赤岩村の名主(郷士)山浦信友の長男として生まれる。
    山浦家は武田家につながる名家の出で、江戸時代には小諸藩に属して代々赤岩地区の名主を務めたという。
  • 文政11年(1828年)3月24日に水心子英世に入門し、4月27日にはいったん帰国。10月2日から11日まで出府し焼き刃の法を伝授される。
  • 翌年3月28日から5月16日まで英世宅で修行する。
  • 6月26日には帰国して上田藩工の河村寿隆に再入門し、銘を「天然子完利」と切る。

    おのれ古伝の鍛法をさ久り、自可ら造りて佩刀となさん事をおもひ立て、河村三郎寿隆といへる人に逢て、始て此道に入立侍りたりける

  • 天保元年(1830年)正月に師の一字をもらい天然子寿守と改名。8月には信濃太郎天然子完利と戻すが、翌年には寿昌と改名。
  • 天保8年(1837年)に江戸に上り、浜部寿実に入門。翌年には京都に上り作刀。翌10年8月に帰国。年の暮れに信州小諸藩主槇の遠江守康哉から差料鍛造の注文を請ける。弘化2年(1845年)10月から翌年12月まで江戸本所の牧野家下屋敷にて鍛刀。
  • 嘉永元年(1648年)4月から6年2月までは信州上田城下において同藩松平伊賀守忠固の命を受け長巻き50振りのほか、刀多数を打っている。
  • 嘉永5年(1852年)3月には伊賀守金道から常陸圀号(常陸守)を贈るという奉書が届いているが、この銘は切っていない。
  • 嘉永6年には信州松代藩で真田信濃守幸教から長巻き100振りの注文を受け、移住して鍛刀。3月24日に行われた堅物切り(鍔、鹿角、兜、胴)の試し切りにおいて、大慶直胤や韮山胤長らの刀は耐え切れず折れるが、真雄の刀だけは最後に金敷に18回叩きつけてようやく折れるという堅牢さを誇った。
  • のち、松城に蟄居した佐久間象山を尋ね、以後近所付き合いをするようになった。
  • 明治4年(1871年)ごろ、子の兼虎に家督を譲り、回想録「老いの寝ざめ」を著している。
  • 明治7年(1874年)、71歳で死去。

藩工  

  • 天保11年(1840年)~弘化4年(1847年):小諸藩
    • 銘:天然子寿昌。表銘は楷書、裏銘は草書
  • 嘉永元年(1848年)~嘉永6年(1853年):上田藩
    • 脇差、短刀に傑作多く残る
    • 銘:正雄、源正雄、山浦昇正雄、山浦昇源正雄。表裏ともに楷書が多い。
  • 嘉永6年(1853年)~慶応4年(1868年):松代藩
    • 15年間作刀していたため遺品も多い。
    • 銘:松代士真雄、信州住真雄、山浦真雄、遊射軒真雄、遊雲斎真雄。表裏共に草書。
  • 文久4年(1864年)が還暦であり、翌年から「六十二叟」と年齢を書き加えるようになっている。

著名作  

太刀
銘「弘化四年丁未春二月上完應同國上田藩河合直義君之需 信濃國小諸住山浦壽昌作之 八月日」昭和40年1月14日長野県指定文化財。長97.5cm、反り2cm。なかご生ぶ、目釘孔3個。河合五郎太夫直義は上田藩の剣道指南役。上田市立博物館所蔵
銘「山浦真雄/安政三年八月日」長71cm、反り1.8cm。53歳時の作。なかご生ぶ、目釘孔1個。
短刀
銘「正雄/嘉永三年八月」47歳時の作。長24.8cm。昭和41年2月24日長野県指定文化財。長野県宝。信濃美術館所蔵
太刀
銘「信濃国寿昌 於小諸藩弘化二年二月作之」長80cm、反り1.9cm。
  • 千葉周作が門人から贈られた「信濃国真雄 安政二年二月日」の刀には表裏に倶利伽羅と梵字が彫られていたという。


系譜  

山浦兼虎(やまうらかねとら)  

  • 源清麿の兄山浦真雄の子。
  • 信州小県郡赤岩に生まれ、剣術の道を志し、直心影流中山真道に入門。20歳のとき、江戸に上り浅草の直心影流の達人島田虎之助に入門する。
  • 剣術修行の傍ら、嘉永2年から叔父源清麿のもとで鍛刀を学び、嘉永4年に師の島田虎之助が死去すると鍛冶に専念する。
  • 安政6年に松代藩工となる。
  • 明治4年に父より家督を譲られ上田に移住する。
短刀
銘「直心斎兼虎/明治二己巳仲秋」長七寸、反り一分。
太刀
銘「直心斎兼虎/慶応二年八月日」長75cm。上田市立博物館所蔵

関連項目